SDGs目標のターゲットを考える 17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs17目標いよいよ最後の17番目「パートナーシップで目標を達成しよう」。ここまで長かった、、けどさすが17番目の目標。ラスボスにふさわしいターゲット数。目標17にだけカテゴライズがあるくらい。手がのびなかったけどやるしかない。目標本文は「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」。要は協力・協働・共創していきましょうってことだけど、いろんな切り口で具体的な協力体制を示している。

【資金】
最初のターゲット群は資金面に関するもの。
17.1は、開発途上国の課税および徴税能力の向上。途上国は政府機関も十分な体制になくて税金を正しく徴収できていないということか。たしかに住民登録がないようなレベルだと誰がどこでどう稼いでいるかもわからない状態といえそう。手段として国際支援を通じて資源の動員強化を図ることまでターゲットとされている。

ターゲット17.2は先進国の途上国に対するODAへのコミットメントの完全実施。ODAとは「政府開発援助(official development assistance)」で、政府資金で途上国を援助すること。17.2ではこの完全実施の目標設定について、いくら出すかでなく開発途上国、後発開発途上国それぞれのGNI比に対しての出資比率としている。GNIとは「国民総所得(Gross National Income)」のこと。
国連データによると、キャパシティ・ビルディングと国家計画のためのODA総額は2016年204億ドルで2010年からあんていしているものの、実質ODA総額は2017年に減少しており、援助を受ける側のGNI比はまだ0.31%と低い水準とのこと。もっと出さねばということなのか、途上国の所得が上がってきたといえるのかは微妙。

17.3は複数の財源からの開発途上国のための追加的資金源動員。これも17.2に通じるけど、政府資金だけでなくいろんな財源からということ。民間企業の出番なとこかな。

17.4は負債による資金調達、債務救済や債務再編の促進を目的とする政策を通じた債務リスクの軽減。ソース元が確かでないけど、中国が東南アジア諸国に資金貸付をして、返せないってなったときに見返りとしてその航路の貿易権をもらって中国さらに儲かる、みたいなことしてるて話を聞いたことがある。このターゲットには「協調席な政策により」て文言があって、途上国が返せないような計画の負債を負わせずにみんなが持続可能な状態になることを目指している。

ターゲット17.5は後発開発途上国のための投資促進枠組みの導入実施。投資だから未来に返す前提なのかな、でも今より投資しやすくるする仕組みをつくりましょうと。これは政府主導なのかな?

【技術】
ターゲット17.6からは技術面に関するパートナーシップ。
17.6は科学技術をよびイノベーションに関する南北協力、南南協定、地域的・国際的な三角協力の強化、国連レベルにおける組織間のコーディネーションの改善を通して知識共有を進めること。まぁ方々協力して技術を共有しましょうということですね。

ターゲット17.7は環境に配慮した技術の開発、移転、普及、拡散の促進。ただの技術でなく環境を大事にした技術をひろめようという目標。17.8は2017年目標で、後発開発途上国のための技術バンクと科学技術イノベーション能力構築メカニズムの完全運用。これは達成してるんだろうか?

【キャパシティ・ビルディング】
ターゲット17.9は能力構築に関する目標。
すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するためのキャパシティ・ビルディング実施に対する国際的な支援強化。能力を構築するための協力をしましょう、なんでも良いのでなく、効果的で的をしぼったものにしましょうという目標。選択と集中で効果をあげてこうと。

【貿易】
ターゲット17.10からは貿易に関する目標群。
17.10は差別的でなく公平な多角的貿易体制の促進。WTOによる多角的貿易自由化交渉、世界貿易機関のもと普遍的なルールに基づくことも記載されている。正当なルール化での貿易。最近日本が加入したRCEPもそれに関係あるかな?

ターゲット17.11は2020年目標での世界輸出に占める後発開発途上国のシェア倍増。これはもしやコロナで未達か、、
国連データによると、発展途上国の世界貿易輸出シェアは2001年から2012年まで増加していたが、2016年まで減少している。後発開発途上国においては2000年から2013年まで上昇していたが、その後減少している。シェアの割合でいうと先進国の伸びも含まれるのでなんとも言いづらいけど、コロナでさらに減少傾向にある気がする。

ターゲット17.12は後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な減産地規則の永続的な無税・無粋の市場アクセスの適時実施。むずかしい。輸出入の促進・円滑化ということかな?

【体制面】
-政策・制度的整合性
ターゲット17.13、政策協調や政策の首尾一貫性を通じたマクロ経済の安定促進。国を越えて経済を安定させましょう、政治主権が変わったとかでコロコロ政策変えるのやめましょうという目標。日本は今自民党一強みたいになってるから大きくは変わらなそうだけど、これからはアメリカとかが心配なところ。バイデンさんになってパリ協定は維持するのか??

ターゲット17.14は持続可能な開発のための政策の一貫性強化。これも17.13に通じるもので、持続可能な政策を続けましょうて目標。国レベルの話が多い。

ターゲット17.15は各国の政策余地とリーダーシップの尊重。貧困撲滅、持続可能な開発という二大目標の達成に向けた施策は強調しながらも各国に裁量を持たせますよってことか。一方的にこれやれっていうのは確かに持続可能じゃない気がする。

-マルチステークホルダー・パートナーシップ
17.16、持続可能な開発目標達成の支援のため、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、グローバル・パートナーシップを強化すること。知識や専門的知見、技術、資金源などの面からパートナーシップを強化していきましょうと。このへんはあんまり解釈いらなそう。

ターゲット17.17は効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップの奨励・推進。これもこのままだなぁ。でもここに来てはじめての、国以外のプレイヤーが出てきたような気もする。国だけが協力するんでなく、民間もですよってのをここで目標にしてる。

-データ、モニタリング、説明責任
ターゲット17.18は、2020年までの質が高くタイムリーで信頼性のある非集計型データ(所得、性別、人種、民族、居住資格、障がい、地理的位置、各国の国内状況に関連するその他特性)の入手可能性向上。非集計データとは、ざっとぐぐったところ合計とか平均みたいな計算を行わずにそのまま使うデータのこと。入手可能性向上てことは今まで入手できていなかったてこと。果たして2020年、今年達成できているのか。

ターゲット17.19は、2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度の作成と統計に関するキャパシティ・ビルディングを行うこと。GDPでのはあくまで経済指標だからこれだけを指標にしちゃうと今までの持続不可能な世界の延長になってしまうから。幸福度なんて良いんじゃないかなぁ、あとはこれまでのSDGs169ターゲットのひとつひとつの尺度が持続可能な開発の進捗状況を測る指標のひとつになるんだろうな。めちゃくちゃ多いけど。

国連データによると、開発途上国はあらゆる分野の統計に関し2015年に5億4100万ドルの資金援助を受けているが、これはODA全体の0.3%で、これらの国が開発アジェンダを実施し進捗状況をモニタリングするには不十分とのこと。金だけが解決手段ではないけど金の指標だけでもまだ足りないということ。やることいっぱい。

以上、169ターゲット。ひとつひとつ見ていったことでなんとなく言いたいことの概観がわかったような気もする。優先度とか重要度は人によって異なるし、ひとつだけの解決というのがあり得ないことも冒頭に(多分)書いてたように目標や課題は相互に関連してるから、できることから初めて徐々に広げていくのが良いんだろうなと思う。

目標17は個人から始められることは割と限られるけど、協力姿勢が大事なのだな。

SDGsのターゲットに詳しくなったらもうつけてても問題ない(何か聞かれてもちゃんと答えられる)かも?

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