【SDGsに関連するニュース】まとめ2

SDGsに関連したニュースが増えてきて、ちょいちょいブックマークしておくけどなかなか見返さず、タブだけが増えていくので整理・備忘録を兼ねてニュースを整理。
まとめ1はこっち
7月1日作成
7月2日更新 7月4日更新 7月5日更新 7月6日更新 7月7日更新 7月8日更新 7月9日更新 7月11日更新 7月12日更新

5月15日(土)「SDGs」の認知度が54.2%に上昇 最も意識されている行動は「レジ袋の持参」
電通とスターツがそれぞれ行ったSDGsに関する意識調査の結果を記事にしたもの。
電通が調査するのは4回目→「第4回SDGsに関する生活者調査」
前回約1年前と比較して認知率は倍増の54%、中でも10代の認知率は70%以上と。Z世代?のほうが意識が高いのか、情報に触れる機会が多いのか→指導要領に入って授業で取り扱うことが増えたのはありそう。
自分の会社では、日経新聞を毎日読んでるエライ方がぜんぜんわかってなかったりして、新聞の何を見てるんだろーかと思ったりもする。男女差で見るとどの年代でも男性のほうが認知度が高い。のはなんでなんだろう。
SDGsに関する商品、サービス利用意向については、レジ袋を持参することを筆頭に、機能的に問題のないものの購入、量り売り、不用品のフリマアプリ活用、と続いたとのこと。「もったいない」「ゴミ・ロスの減少」の意識が高いというか、個人で始めやすい取り組みということだろうな。
また企業が取り組むSDGsに対し、その活動を知ると企業のイメージが良くなると回答した人が74.9%いたと。これを見るとやっぱ企業はイメージ戦略としてSDGsを打ち出したほうが良いって流れも加速しそう。これまで顧客に対する価値や顧客課題解決って言ってきた製品の見方を変える、視点を変えた表現にすることに対して非積極的な対応・印象を持っている企業もいるがこれで後押しされるきっかけになるものだろーか。
自分の仕事にももっとがっつりSDGsを絡めて考えてみても良いのかもしれない。
なんか急がないと、自分ごときの知識すぐに一般化しそう、ていうかすでにされてそう。
(7月1日)

5月25日(火)SDGs推進へ 沖縄県にパートナーに登録
沖縄テレビ放送の記事。沖縄県が公募しているSDGsパートナーに、新たに40の企業、団体が登録されたとのこと。沖縄県では、「沖縄21世紀ビジョン」の中で県内に事業所を有する企業・団体を対象に、SDGsパートナーとして一緒に活動する団体を公募している。
沖縄が目指す2030年に向けた基本理念は『21世紀に求められる人権尊重と共生の精神を基に、“時代を切り拓き、世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな「美ら島」おきなわ”を創造する。』。
今回は環境負荷が小さい商品を開発する企業やこどもの居場所づくりを行う団体が選ばれたとのこと。こどもの居場所については、全国の中でも沖縄は貧困率が高い地域てこともあり、こどもの貧困も多いエリアなのでニーズ高そう。
沖縄県は県のsdgsサイトも立ち上げていて注力しているのがよくわかる。と思ってるけど、つい先日6月30日に発表されたSDGsへの取り組み評価が高い都道府県ランキングでは沖縄は23位、ほぼ平均点組。積極的に取り組んではいるけど県民の評価はまだいまひとつ、ってところか。
(7月2日)

5月26日(水)”とりあえずのSDGs”ではなく本質的なアクションを。生活者に指示されるSDGs発信のポイント
MarkeZineの編集者が、トライバルメディアハウスに取材した記事。トライバルメディアハウスは2020年にSDGsアクションを支援する「Good Tide」を発足したとのこと。
企業のSDGsへの取り組みが本格化し始めたのは2019年ごろ、ただし取り組むことに決めたものの何をどうすれば良いか迷っている状態が続いていた。2020年、コロナによる事業活動の停滞により、企業の自社振り返りというかSDGsに意識を向けることにした企業が増えたように思う。
取材にある企業の取り組み方のサポート事例では、組織横断のSDGsアクション組織組成→事業内容をSDGsに落とし込み→情報発信、とスタンダードな方法。とはいえ、この組織を作るのが割と難儀する。経営層の本気度と責任のもとに、裁量権を持たせた組織をつくるというのができれば、概ね企業のSDGsアクションは成功に向かえると感じる。こういう会社の仕事はあと数年はニーズがありそう。
(7月4日)

5月27日(木)SDGs未来都市に 本年度、都内から墨田区と江戸川区の2区が選定
東京新聞の記事。2018年度から、国が毎年約30自治体を「SDGs未来都市」として選定しているが、今年度東京都からは墨田区と江戸川区が選定され、墨田区は「自治体SDGsモデル事業」にも選ばれたとのこと。東京では昨年度までに日野市、豊島区などが選ばれている。
墨田区は「『働きがい』を『生きがい』と暮らしにつなげるデザイン」を計画のタイトルとして設定。昔から根付くものづくりの文化にSDGsの要素を絡めた製品の開発やプロトタイプを作成するとのこと。墨田区は全国でも有数のものづくり産地で、100年企業も多く存在する。東京の伝統的工芸品に選ばれているものも多くが墨田区で製作されていたりする。ものづくりのノウハウを活かした、地元企業とのコラボによる地域課題を解決する商品、どんなものができるのか興味がある。
江戸川区は「海抜ゼロメートルのまち江戸川区が目指す『SDGs=地域共生社会』先進都市」をテーマとし、気候変動適応センターや区のSDGs推進センターを軸に脱炭素や温暖化対策、水資源保全の取り組みを行うとのこと。1000以上もある区事業すべてにSDGsの目標を関連付けたというのも意気込みを感じる。
ふたつのまちの総合計画を見てみて具体的な内容をみるのも面白そうかも。
(7月5日)

5月30日(日)SDGs、まずは知ることから お笑いコンビ「EXIT」りんたろー。さん、兼近大樹さん
毎日新聞の記事。有料記事なので冒頭部分しかわからないけど、記者が二人にインタビューしている。SDGsがメディアによく出てくるようになった中で、若者代表な感じでテレビに限らずいろんなイベントに出てるのがこの二人。デビュー当初から、だいぶチャラい系芸人なのに一人は保父さん?ベビーシッター?でもう一人は介護施設で働いていたっていう経歴もあって印象に残ってたな。吉本興業がSDGsに取り組むことを宣言して内閣府の表彰受けたのも大きいニュースだけど、その中で「SDGs-1グランプリ」てイベントでネタを考えることになったことがSDGsを知ったきっかけだったとのこと。
若者に影響力のある人気者が、ふざけず楽しくこういうことを話したり積極的に取り組むことは、ちょっと前ならダサイって思われがちだった気がする。最近は若者のほうが意志のある購買行動だったりSDGsネイティブな感じがあるから、こういうのもカッコイイってイメージになるんだろうなぁ
記事が全部読めないとなかなか書きづらい。
(7月6日)

6月4日(金)サステナビリティの先にある概念「リジェネレーション」とは?
IDEAS FOR GOODというメルマガの記事。
日本ではようやっと浸透してきた「持続可能」をとびこえて、世界の最先端では、持続可能では地球上の資源が間に合わない、「再生」する必要があるとして「リジェネレーション」「リジェネレイティブ」という言葉が使われ、再生を目的とした活動も始まっているとのこと。
持続可能であることは、現代のニーズを満たしつつ将来のニーズも満たそうって考え方だけど、多くはなるべく資源を使わないって方向に行ってしまってるという警鐘があって、その活動は別に地球に良いことをしているわけではない、プラマイゼロ(またはマイナス)じゃねって考え方。Regenesis Groupのビル・リード氏によると、サステナビリティの考え方は人間と自然が分断された考え方であって、リジェネレーションは人間も自然界のシステムの一部だという考え方。
個人的には人間が自然の一部であること、自然界システムに組み込まれていることは当たり前だと思っているのでサステナビリティがそういう考え方に基づいていなかったのか?てところは疑問が残る。同じ違和感はSociety5.0の「人間中心の世界云々」の部分にも該当する。サステナビリティというより、SDGsの開発・発展部分の印象が強くて定義が分かれるのかな。
リジェネレーションの考え方がサーキュラーエコノミーにもつながっていることは理解しやすい。「改善」でなく「変革」をもってシステムを見直すということが求められているのはSDGsも同じはずだけど、普及の過程でもともとの志向が鈍化というかしてしまっているのかもしれない。SDGsを環境問題または+人権問題って考えている人もやたら多いし。
事業をすればするほど再生されていく仕組み、構造を考えるのはかなりクリエイティブだなぁ。
リジェネレーションの概念として「繁栄」が重要なキーワードであること、繁栄した社会には「尊厳」「機会」「コミュニティ」があるらしい。難しい。
この記事結構長くて、リジェネラティブ・エコノミーの8原則や世界の事例として再生×街づくり、再生×農業、再生×観光業があげられている。
定義は少し異なるかもしれないけど、トレードオフに気を付ける考え方や抜本的な改革や挑戦が必要なことは変わりない。日本に入ってくる、普及するのはあと2年くらいかかるかなぁ、、
(7月7日)

6月8日(火)日本におけるSDGsの重要な課題は「ジェンダー」と「環境」
ニッポン放送の「あさナビ」で一般社団法人SDGsアントレプレナーズの青柳仁士氏が出演した際の記事。
6月7日から1週間ゲストとして出演されたようで、記事も5日分あり、SDGsについて掘り下げた内容になってる。
日本が世界的に遅れをとっている課題のひとつが「ジェンダー」。前から言われていることだけど今年のランキングでもまた順位下がったんじゃなかったけな。企業の女性管理職の平均はもちろん、就職・就学でも格差がある。
もうひとつ、大きな課題が「環境」。日本は食料自給率も低いが、基本的にいろんなものを輸入している。プラス、大量生産大量消費国。リジェネレーションの立場でいうと、持続可能ではなくて再生してかねばくらいの気持ちでいかないといけないだろうな。リサイクルどころじゃない。
トークの中では日本の貧困「相対的貧困」について、企業の取り組み、企業が取り組むことのメリット(デメリット)にも触れてた。わかりやすい内容だったのでこの5回シリーズは初心者向けに良さそう。
青柳さんは1回一緒に仕事をさせていただいたというか発注させてもらったことがある。実際に国連に携わっていた経歴もあり、かなり深い考察と知見をお持ちの方。またどこかで仕事できたら良いなぁ。
(7月8日)

6月22日(火) SDGs「2030アジェンダ」報告書を
日テレNEWS24の記事。日本政府が22日、SDGs推進本部を開き4年ぶりに報告書をまとめたとのこと。来月の国連フォーラムで発表予定。再生可能エネルギーについて浸透している一方、ジェンダーの課題は深刻化しているとのこと。
ていうか、え、報告書4年ぶりって。2020年はコロナショックがあったにせよ、安倍政権、立ち上げ以降動いていなかったのか。まじか。そういえば確かにSDGsランキングって世界の評価機関がしたやつで、日本の報告書ってなかった、、それじゃー国内に対しての説得力もなかろうな。
国連フォーラム、注視しよう。
(7月9日)

7月1日(木) これが大事なSDGs 地域の草刈りとごみ拾い
STVの記事。札幌市南区の住民が、SDGsの取り組みの一環として国道230号沿いの草刈りやゴミ拾いを行ったとのこと。持続可能な活動にしていくそう。
短い記事だけど、良いなぁこういう活動。できることからちょっとずつ、継続してやるって意外と難しい。学校とかだと年毎に学生も変わるし、同じ温度感で続けることはなかなか難しかったりする。
この活動が関連するターゲット、3.6の交通事故減とか、4.4働きがいがあり人間らしい仕事をする技能を身につけるとか、11.2交通の安全性改善、11.3誰もが参加して持続可能なまちづくり、あたりかなぁ。
この活動は無償なんだろうか。ボランティアとしての持続可能も大事だけど、より持続的な活動にしていくために経済循環というか、労働に対する成果が収入として得られる仕組みも必要だと思う。そこが、人が変わったりして温度感が変わっても続けられるひとつの解決策になったりしそう。
(7月11日)

7月7日(水)SDGsは伝説の「ライブ・エイド」が原点だった?貧困撲滅運動ヒストリー
ダイヤモンドオンラインの記事。サニーサイドアップの次原氏が、同社の活動とライブ・エイドからつながる貧困撲滅運動について語られたもの。
ライブ・エイドは『ボヘミアン・ラプソディ』で初めて知った。20世紀で一番成功したチャリティライブとのこと。ライブで集まった総額は当時の日本円で約280億円という金額だったけど、アフリカ諸国が借金している額の利子1週間分にしかならなかったというのが衝撃。ただ、その流れが続いて2005年「ホワイトバンドプロジェクト」として動き出し、チャリティライブとは違う形でたくさんの人を動かし、ついに世界政府や国際通貨基金を動かし、ライブ以上の経済効果を発揮したとのこと。ODAの金額も上がったようで、SDGsの前身であるMDGsが掲げた「貧困の半減」目標に近づける効果があったんだろうなと思う。
サニーサイドアップ社もこのプロジェクトを日本国内に広める活動を行ったが、会社としてはかなりの赤字だったとのこと。そこで、持続可能な活動のためには企業がきちんと利益を出すことを訴えている。これはいわゆるこれまでの企業メセナとか利益の一部を社会貢献活動に充てるという考え方ではない、本来のCSRや最近でいうCSVにつながる考え方。SDGsも、ボランティア活動では継続できないのでCSVと似た概念だとよく言われる。
原点でいうと環境系とかもすこし違うルートの話もあるのでなんとも言えないけど、大きい流れの契機のひとつになっていることは確かなんだろうと思う。そんで、政府とか行政がいくら意識高く活動してもなかなか課題は解決しなくて、民間ベースというか、地球に生きる住人ひとりひとりが少しずつ意識して、それがステータスになるような文化が形成されるととてつもなく大きな力になることの好例。今は行政向け提案みたいな仕事が多くなってきたけど、民間が主導して既成事実を作って行政に乗ってもらうというか、動かざるを得ない状況づくりがいるかなぁ。
(7月12日)

【歴史上の偉人とSDGs】上杉鷹山とSDGsを考える

直江兼続は勉強中だけど、上杉鷹山のほうが、SDGsが目指す世界との親和性があると思う。

米沢駅にいる上杉鷹山公の絵
米沢駅にいる上杉鷹山公の絵

上杉鷹山は、ジョン・F・ケネディが尊敬する人として名前を挙げたことで有名になった?人物。上杉、米沢藩9代目藩主であり、「為せば成る 為さねばならぬ 何事も 為らぬは人の 為さぬなりけり」とうたった人物で、簡単に言うとエライ借金まみれの米沢藩を立て直し、借金を返した敏腕経営者。

新品の金物の金属臭さを取るために「上杉」と書いた紙を貼るのだという噂が流れるほど、8代目が領地を返納しようと考えるほどの借金だったらしいが、そもそもなぜ上杉藩がそんなに借金抱えることになったのか、は今回は割愛。

んな状態で武士も領民も悲壮感漂うところに、上杉鷹山が入城した。白子神社で決意を表明し、約20年超にわたりさまざまな改革を行った。

白子神社
白子神社

大きくは「財政改革」「産業改革」「人材改革」の3つ。これらの改革で培われた文化は現代の米沢市、置賜地域にも根付いている。直江兼続が米沢藩のハード面のインフラを整備したといえるとすると、鷹山は置賜地方のソフト面のインフラを整備したといえる。当時の文化が今の自分たちの生活や考え方にも影響しているということは、その考え方が現代にまで通じる「持続可能なまちづくり」=SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」につながるものだったと言える。

たとえば、「産業改革」。米沢織をはじめとして、置賜紬は山形県の伝統的工芸品にも選ばれている。ほかにはこけし、駒などの木工品、笹野一刀彫、原方刺し子、成島焼き、相良人形、深山和紙、など、現代では需要の変化で数が減っているものの、たくさんの工芸、産業がある。鷹山は、それまで紅花や青苧を生産して出荷するだけの「第一次産業型」から、製糸、染め、織り、装飾まで手掛け反物や着物として出荷する「第三次産業型」まで組み合わせた生産体系とすることで、藩外への出荷製品に高付加価値をつけることに成功した。

また食の面では、「ひょう」を筆頭に、食べられる生垣「うこぎ」の栽培、食用としての鯉の養殖など、石高に対して人口が多い米沢藩の胃袋を満たすためにあらゆる手段を講じた。これらの食文化ももちろん現代の米沢、置賜地方の食文化として定着している。

うこぎ

「人材改革」では、現在の愛知県から細井平洲を呼び寄せ、廃校化していた米沢藩に藩校興譲館を設立、身分を問わず学ぶことのできる場所をつくった。興譲館は現在も山形県内有数の進学校であり、これまで多数の人材を輩出している。

藩校のイメージ

他にも、鷹山が行った改革は数知れないほどある。それぞれ逸話も残っているので文献を見ると鷹山の人となりや改革の様子を知ることができる。もちろん最初から順風満帆に改革を進められたわけではなく、根強い反発もあったようだ。鷹山自身も危険な目にあっており、その影響で家来も数人処分している。ここではその詳細は割愛。

殖産興業も人材育成も、一日にしてなるものではない。財政がひっ迫している状況下において、むしろこの二つは財政をより圧迫する要因にもなりうるものであったが、鷹山はここには惜しげなく投資していたといわれている。代わりに、従者や女中を減らしたり、藩民に対し質素倹約を訴えながら自らも綿の着物に粥を食するなど、質素倹約を実践した。限られたリソースの選択と集中は、現代複雑で多岐にわたる深刻な問題がたくさんある中で17の大きな課題にリソースを集中させて課題解決を目指すSDGsの考え方に通ずるものがある。

また、最初のほうに書いたが鷹山は改革を行う前に白子神社で決意表明を行っている。決意とは自分の改革に対する覚悟でもあり、家来や藩民に対するビジョンの設定でもある。そして、「○年で借金を返す」などの明確な目標を設定した。これはビジョナリー・カンパニーと同じ考え方、手法でもあり、当時誰も返せないと思っている借金を具体的な数値目標で言い放つ、やり方は後で考えるという手法はまさにSDGsが「我々の世界を変革する」というビジョンのもと、2030年に向けた野心的な目標設定をしているのと同じことである。鷹山もバックキャスト思考で改革を進めていたのだと思う。

それぞれの改革とSDGsの具体的な目標とのつながりも考察したい。
つづく。

上杉鷹山は経営哲学の観点でもちょいちょい本になってる。その観点で知りたい場合は別の本もオススメだけど、まず鷹山の人となり、人生について知ってほしい。それを知るにはコレ。

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【歴史上の偉人とSDGs】直江兼続とSDGs

直江兼続についての知識が弱いのでまだ詳細に書けない、これから深めていくための備忘録用メモとして。

直江兼続の現在の知識。(間違っている可能性高い、あとで調べる)上杉謙信の家来、上越から米沢藩に入城しかぶとやま?を指標に城下町を形成した。米沢に入る四方の道に対し城下町を囲むよう寺町を配置、敵陣の攻撃の勢いを減退させる変形十字路、鬼門や恵方を意識した神社配置、などその町並みは現在にも残っている。

2度の大火を経験した後もその町並みをもとに復興したのは、それが早く復興しやすかったのはもちろん、まちのインフラ整備としても理にかなっていたからだと思う。戦国時代からの町並みが現代にも息づいているという状況は、当時のまちづくりが紛れもなく持続可能なまちづくりであったと言える。米沢市街地を流れる川はあまり多くない(3本?4本?)が、川が近くにないエリアにも水路が張り巡らされており、治水・利水面でも生活のしやすさが考えられている。当時は生活用水としても活用されていただろうし、現在も雪捨てに必要な存在である。この水路整備がいつできたものかは要調査。

米沢市含む置賜地方は(山形県全体でみても)、「雪は多いが災害は少ない」と言われている。最近は気候変動の影響で台風が上陸したり、川西高畠の一部で冠水被害もあったりしたが、大きな災害は53年前の羽越水害ぐらいでは。災害が少ない理由として、比較的標高の高い山に囲まれている地理上の特徴もあるが、災害が起きにくいまちづくりができているとも言える。

将来にわたって持続可能なまちを考え整備すること、これは現代のSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の概念に完全に一致する。直江兼続の行ったまちづくりはまさしく持続可能な開発であったと言えるし、この考え方は現代にも活かせる要素があると思う。残念ながら、当時の生活様式と現代の生活様式はあまりにも激変してきており(たとえば、牛馬徒歩移動から車移動になったことで道幅を広げる必要が出てきた、変形十字路が交通事故のもとになるようになった、など)現在の町並みは持続不能になるかもしれない。何が課題になっていて、どう変革すべきか、直江兼続が行ったまち整備の要点をおさえて検討したい。便利さだけを追求すると短期的には良くても、長期的に良くない場合がある。直江兼続の行ったこととSDGsの関連、これからのまちづくりの課題検討、もっと調査と勉強が必要。

誰一人取り残さずに、4方良し(自分よし、お客よし、社会よし、未来よし)の米沢市、置賜地域、山形県、日本のあり方を考えたい。

つづく。

何年か前にNHK大河ドラマのテーマになり、妻夫木聡が演じた直江兼続。これ読んで勉強しよう。

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SDGs目標のターゲットを考える 11.住み続けられるまちづくりを

SDGsにある17目標のうち11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」。文字通り、まちづくり。その本文は、「包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する」。まちづくりの定義というか、あり方を具体的に示している。

ここまでの1~10の目標の多くが個人や企業のような、ある意味「個」の救済や行動を示していたのに対し、ここで「まち」という規模目標が出てきた。
個の力の限界を地域で支えるというか、格差の発生を組織で防ぐというイメージにも感じるターゲットが並ぶ。

最初のターゲット11.1は「2030年までに、すべての人の適切で安全、安価な住宅および基本的なサービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。」スラムという言葉のインパクトが大きく、日本に関係ないんではと思いそうになるけど、~アクセスの確保までで言えばどの地域にも当てはまり、日本でもこれがクリアされている地域はそう多くない。あと「スラム」て、そういう表現しないだけで、いわゆる「あのスラム」みたいな場所と感じられないだけで、前の記事であった日本の「相対的貧困」の現場は日本の場合近しいものがあると思う。

ターゲット11.2は社会的に弱いと言われる立場の方のニーズに配慮した交通の安全性改善、持続可能な輸送システムへのアクセス提供。高齢化が巣数地方では、最近は免許返還後の高齢者など「交通弱者」への乗り合いバスや介護タクシーなどがすでに稼働している。「持続可能」とは、そのバス会社やタクシー会社がその運用を続けられるように、ちゃんと事業として成立させること。受益者負担は手っ取り早いけど、社会的弱者は想定的に貧困でもあり、そのやり方はやっぱ持続しなそうだなと考えると、その手段の実現は難しい課題だと思う。

ターゲット11.3は、あらゆる人を排除しない持続可能な都市化促進、誰もが参加して持続可能なまちづくりの計画管理。これは自分の目標にも近い。パイプドビッツという会社の研究所が行った「幸福度調査」では、まちづくりの様々な取り組みへ「参加」するほどその協力した人の幸福度があがるという統計結果も出ている。社会参加はコミュニティへの所属も同義であり、コミュニティのつながりが強い地域は誰かの異変にもすぐに気づくことができ、人のつながりの面でも持続可能になると思う。そのような場づくりが求められる。

ターゲット11.4は世界中の文化遺産、自然遺産の保護保全。この持続可能なまちづくりの目標には文化遺産、自然遺産も含まれる。重要な観光資源にいかに人がきて、金を落としていくかは地域の持続可能性に大きく影響するし、大事な目標、それもリスクでなく、チャンスととらえるべき前向きな目標。SDGsの目標群の中であまり触れられていない「文化」面に言及している数少ないターゲットでもある。

11.5のターゲットは、水害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、直接的経済損失を大幅に減らすという目標。このあと出てくる気候変動にもかかわる、日本でも毎年発生するようになった豪雨や台風直撃による水災害の被害を大幅に減らすというもの。日本にもめちゃくちゃ大きい課題。企業や自治体がいろいろ画策?対策?してるところと期待。

国連のデータによると、1990年から2013年にかけて、災害に起因する死傷者の約9割が低中所得国で発生している。災害が新たな貧困を生むという話はどこかでした気がする。そして災害が、貧困からの脱出を阻害する要因にもなっている。これを考えると、防災めちゃ大事。

ターゲット11.6は大気汚染や自治体廃棄物の管理への注意による、都市一人当たりの環境上の悪影響軽減を訴えている。国連の2016年の統計では、都市住民の10人に9人は汚染された空気を吸っており、約4200万人が大気汚染によって命を落としている。日本の約1/3の人口が大気汚染を理由に毎年亡くなっていると考えると、これも大きい問題。

11.7は、すべての人に対する安全で利用しやすい緑地や公共スペースへの普遍的なアクセス。なんとなく11.2や11.3と似ているが、交通アクセス、社会参加に次いで、「緑地や公共スペース」いわゆる公園とか公的施設へのアクセス。日本ではある程度の住宅街ごと?に公園つくりましょうとか公民館作りましょうみたいのがあった気がするが、そこにみんなが気軽に行けるようになりましょう的な感じか。

11.aは都市部と都市周辺部、農村部間の良好なつながりの支援。都市部の一極化や地域間格差を是正し、交流を促し、資源を分け合うような支えあうような施策や計画が求められる。経済・社会・環境面どれかに偏ることなくすべての調和を考える必要があり、「先進国が途上国を支える」とか「都市部が田舎を支える」とか一方的かつ上下関係があるものでないのが重要かつ注意が必要。

11.bは仙台防災枠組2015-2030に沿ったあらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施。2011年の東日本だ震災を受けて検討が始まり、2015年までに検討され開始した防災枠組み。地震や津波だけでなく様々な災害リスクを想定し、防災・減災対策を実施することが求められる。「あらゆるレベルで」というのがポイントに感じる。

最後11.cのターゲットは後発開発途上国における現地資材を用いた持続可能かつレジリエントな建造物の整備支援。先日もトルコ沖で地震があり、トルコやギリシャで大きな被害が出ている。建物の崩壊も多い。後発開発途上国は目の前に取り組まなければならない課題が多く、例えば建造物の耐震性や強靭性は優先度が低くなっている可能性がある。技術的な支援は行うが現地の資源でつくるというのもポイント。資源を輸入に頼るのは持続的でない。

目標11はキャッチコピーどおり、持続可能なまちづくりのありかたに対するもの、ハード面ソフト面両面からの施策、現状の改善だけでなく将来のリスクにも備えるものがあげられ、理想的なまちのありかたを問いているように感じる。これらの課題が解決された状態のまち、見てみたい。

地域活性化には欠かせない目標11、地域活性化がSDGsとどう絡むのか、どう活用するのかを考えるならコレ。SDGs未来都市に選ばれている自治体の先進的な取り組み事例もある。

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