【歴史上の偉人とSDGs】上杉鷹山とSDGsを考える

直江兼続は勉強中だけど、上杉鷹山のほうが、SDGsが目指す世界との親和性があると思う。

米沢駅にいる上杉鷹山公の絵
米沢駅にいる上杉鷹山公の絵

上杉鷹山は、ジョン・F・ケネディが尊敬する人として名前を挙げたことで有名になった?人物。上杉、米沢藩9代目藩主であり、「為せば成る 為さねばならぬ 何事も 為らぬは人の 為さぬなりけり」とうたった人物で、簡単に言うとエライ借金まみれの米沢藩を立て直し、借金を返した敏腕経営者。

新品の金物の金属臭さを取るために「上杉」と書いた紙を貼るのだという噂が流れるほど、8代目が領地を返納しようと考えるほどの借金だったらしいが、そもそもなぜ上杉藩がそんなに借金抱えることになったのか、は今回は割愛。

んな状態で武士も領民も悲壮感漂うところに、上杉鷹山が入城した。白子神社で決意を表明し、約20年超にわたりさまざまな改革を行った。

白子神社
白子神社

大きくは「財政改革」「産業改革」「人材改革」の3つ。これらの改革で培われた文化は現代の米沢市、置賜地域にも根付いている。直江兼続が米沢藩のハード面のインフラを整備したといえるとすると、鷹山は置賜地方のソフト面のインフラを整備したといえる。当時の文化が今の自分たちの生活や考え方にも影響しているということは、その考え方が現代にまで通じる「持続可能なまちづくり」=SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」につながるものだったと言える。

たとえば、「産業改革」。米沢織をはじめとして、置賜紬は山形県の伝統的工芸品にも選ばれている。ほかにはこけし、駒などの木工品、笹野一刀彫、原方刺し子、成島焼き、相良人形、深山和紙、など、現代では需要の変化で数が減っているものの、たくさんの工芸、産業がある。鷹山は、それまで紅花や青苧を生産して出荷するだけの「第一次産業型」から、製糸、染め、織り、装飾まで手掛け反物や着物として出荷する「第三次産業型」まで組み合わせた生産体系とすることで、藩外への出荷製品に高付加価値をつけることに成功した。

また食の面では、「ひょう」を筆頭に、食べられる生垣「うこぎ」の栽培、食用としての鯉の養殖など、石高に対して人口が多い米沢藩の胃袋を満たすためにあらゆる手段を講じた。これらの食文化ももちろん現代の米沢、置賜地方の食文化として定着している。

うこぎ

「人材改革」では、現在の愛知県から細井平洲を呼び寄せ、廃校化していた米沢藩に藩校興譲館を設立、身分を問わず学ぶことのできる場所をつくった。興譲館は現在も山形県内有数の進学校であり、これまで多数の人材を輩出している。

藩校のイメージ

他にも、鷹山が行った改革は数知れないほどある。それぞれ逸話も残っているので文献を見ると鷹山の人となりや改革の様子を知ることができる。もちろん最初から順風満帆に改革を進められたわけではなく、根強い反発もあったようだ。鷹山自身も危険な目にあっており、その影響で家来も数人処分している。ここではその詳細は割愛。

殖産興業も人材育成も、一日にしてなるものではない。財政がひっ迫している状況下において、むしろこの二つは財政をより圧迫する要因にもなりうるものであったが、鷹山はここには惜しげなく投資していたといわれている。代わりに、従者や女中を減らしたり、藩民に対し質素倹約を訴えながら自らも綿の着物に粥を食するなど、質素倹約を実践した。限られたリソースの選択と集中は、現代複雑で多岐にわたる深刻な問題がたくさんある中で17の大きな課題にリソースを集中させて課題解決を目指すSDGsの考え方に通ずるものがある。

また、最初のほうに書いたが鷹山は改革を行う前に白子神社で決意表明を行っている。決意とは自分の改革に対する覚悟でもあり、家来や藩民に対するビジョンの設定でもある。そして、「○年で借金を返す」などの明確な目標を設定した。これはビジョナリー・カンパニーと同じ考え方、手法でもあり、当時誰も返せないと思っている借金を具体的な数値目標で言い放つ、やり方は後で考えるという手法はまさにSDGsが「我々の世界を変革する」というビジョンのもと、2030年に向けた野心的な目標設定をしているのと同じことである。鷹山もバックキャスト思考で改革を進めていたのだと思う。

それぞれの改革とSDGsの具体的な目標とのつながりも考察したい。
つづく。

上杉鷹山は経営哲学の観点でもちょいちょい本になってる。その観点で知りたい場合は別の本もオススメだけど、まず鷹山の人となり、人生について知ってほしい。それを知るにはコレ。

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【歴史上の偉人とSDGs】直江兼続とSDGs

直江兼続についての知識が弱いのでまだ詳細に書けない、これから深めていくための備忘録用メモとして。

直江兼続の現在の知識。(間違っている可能性高い、あとで調べる)上杉謙信の家来、上越から米沢藩に入城しかぶとやま?を指標に城下町を形成した。米沢に入る四方の道に対し城下町を囲むよう寺町を配置、敵陣の攻撃の勢いを減退させる変形十字路、鬼門や恵方を意識した神社配置、などその町並みは現在にも残っている。

2度の大火を経験した後もその町並みをもとに復興したのは、それが早く復興しやすかったのはもちろん、まちのインフラ整備としても理にかなっていたからだと思う。戦国時代からの町並みが現代にも息づいているという状況は、当時のまちづくりが紛れもなく持続可能なまちづくりであったと言える。米沢市街地を流れる川はあまり多くない(3本?4本?)が、川が近くにないエリアにも水路が張り巡らされており、治水・利水面でも生活のしやすさが考えられている。当時は生活用水としても活用されていただろうし、現在も雪捨てに必要な存在である。この水路整備がいつできたものかは要調査。

米沢市含む置賜地方は(山形県全体でみても)、「雪は多いが災害は少ない」と言われている。最近は気候変動の影響で台風が上陸したり、川西高畠の一部で冠水被害もあったりしたが、大きな災害は53年前の羽越水害ぐらいでは。災害が少ない理由として、比較的標高の高い山に囲まれている地理上の特徴もあるが、災害が起きにくいまちづくりができているとも言える。

将来にわたって持続可能なまちを考え整備すること、これは現代のSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の概念に完全に一致する。直江兼続の行ったまちづくりはまさしく持続可能な開発であったと言えるし、この考え方は現代にも活かせる要素があると思う。残念ながら、当時の生活様式と現代の生活様式はあまりにも激変してきており(たとえば、牛馬徒歩移動から車移動になったことで道幅を広げる必要が出てきた、変形十字路が交通事故のもとになるようになった、など)現在の町並みは持続不能になるかもしれない。何が課題になっていて、どう変革すべきか、直江兼続が行ったまち整備の要点をおさえて検討したい。便利さだけを追求すると短期的には良くても、長期的に良くない場合がある。直江兼続の行ったこととSDGsの関連、これからのまちづくりの課題検討、もっと調査と勉強が必要。

誰一人取り残さずに、4方良し(自分よし、お客よし、社会よし、未来よし)の米沢市、置賜地域、山形県、日本のあり方を考えたい。

つづく。

何年か前にNHK大河ドラマのテーマになり、妻夫木聡が演じた直江兼続。これ読んで勉強しよう。

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肉と環境悪化、貧困と肉、個人の行動と他への影響。

Free-PhotosによるPixabayからの画像
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肉の食べすぎが、地球環境悪化につながる。風が吹けば桶屋が儲かるの流れよりもわかりやすい。

ていう話を書こうとしたら何年も前に自分の知識以上の深さと細かさで記事を書いてる方がいたので、やめておこう。知らない人には意外な話だけど、一度気づくとなるほどなと思う。海外では、毎週月曜日肉を食べるのやめよう運動とかしてる人たちもいるらしい。SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連する。

Graham LawrenceによるPixabayからの画像
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日本人は魚もよく食べる文化だから、毎日肉食べるっていう食習慣だったら週1~2回魚食に変えるだけでも効果はあるかもしれない。
ただ、魚、高い。1人が1食で食べる量=1切れ=100~150円くらいする。これを高いと思うのは所得の問題か。。でも過去に見た記事では、貧困層ほど炭水化物と豚肉の消費が多く、(貧困状態なのに)肥満体系が多いらしい。考えてみるとわかる。少ない収入でおなか一杯にしようと思ったら、安くて大量のものを買う。それが米と豚肉。貧困は食生活の選択肢がなくなるのだ。このへんはSDGs目標1「貧困をなくそう」目標2「飢餓をゼロに」に関連する問題。

そして自分の行動が世の中に影響なんて及ぼさないんじゃないかと思ってしまうのが、スーパーとかでは有り余る食材が売っていること。自分が肉を買わなくても、すでに加工された大量の肉がパック詰めになってるし、いくらフードロスをやめようといって恵方巻きとかウナギを自分が買わなくても、やっぱり大量に売ってる。売れないそれらは賞味期限が来たら廃棄するしかない。このへんはSDGs目標12「つくる責任、つかう責任」か。

自分が食べるか、自分の家で捨てるか、スーパーで廃棄されるか、加工途中に傷モノとして廃棄されるか、出荷時不良として廃棄されるか。バリューチェーンで見ていくとひとつひとつの過程の中で「廃棄組」がいるはず。自分が「買わない」という行動が、店の発注量を変え、加工量を変え、生産量を変えるほど影響を与えているという実感が湧かない。

自分の場合はせめて購入したものの廃棄はしないようにしている、その流れで不要なものは買わない、ていう行動はしてるけども、実感が湧かないとなかなか行動につなげにくい人は多いんじゃないかなぁ。

1年前くらいに、「mymizu」というアプリの存在を知ってたまに使っている。地図情報上にあるピンの場所に行くと、公共の水飲み場があったり、お店の人に言うと無料でお水をもらえたりする。マイボトルを持ち歩き、空になったらピンのあるところで水を詰めて飲むことでペットボトル消費をなくそうという考えのアプリ。SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」につながる。自分がマイボトルで消費した水の量を登録すると、どのくらいの水を守ったか、どのくらいのプラスチックを削減したか、どのくらいの二酸化炭素を削減したかが概算値で表示される。実際には削減したというより、「発生するはずのモノ(プラスチック、二酸化炭素)を発生させずに済んだ」が正しいかな。

こういうアプリは、自分の行動が可視化されることで実感が湧きやすい工夫の一つだと思う。

肉とかでこれができるかというととても微妙だけど。。個人の行動の他への影響視える化、はやるかなぁ。

肉食に代わる大豆ミートもだいぶ進化してきた。最近では味の区別がつかないレベルになってきているとか。このへんから試してみようかな

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SDGs17目標、グループ分け

SDGsの17目標、一度に覚えるのは大変そうだけど、グループ分けをすることでわかりやすくなる。

グループ分け① 5つのP
ユニセフが作成?一番メジャーかも。日本政府もこの図を使ってる。Pから始まる5グループで構成。【People:人間】目標1、2、3、4、5、6
【Prosperity:豊かさ】目標7、8、9、10、11
【Planet:地球】目標12、13、14、15
【Peace:平和】目標16
【Partnership:パートナーシップ】目標17
目標が連番なのも特徴かも。5つのPが影響し合って循環するイメージ。

グループ分け② 3層
ストックホルム・レジリエンス・センターのヨハン・ロックストローム氏らが提唱した。ウェディングケーキモデルとも言われる。
【中軸:パートナーシップ】目標17
【上位:経済】目標8、9、10、12
【中位:社会】目標1、2、3、4、5、7、11、16
【下位:自然資本】目標6、13、14、15
この上中下に優劣はなくて、どっちかてとまず土台に環境があって、そこが成立するからその上位層が成立するっていう考え方。十分な環境があって、そこから成立する社会が成り立ってこそ経済が回る、この3層を貫くのがパートナーシップ、という考え方。
最近はこのウェディングケーキを実際に作って、課題の大きい部分(十分でない部分)を取り崩していくことでケーキのバランスが崩れて世界が崩壊する=持続可能な状態にない、っていうワークショップをやっている人も出てきて話題になった。

グループ分け③ 4ジャンル
ESG(環境、社会、経済)+人間の4ジャンルの分けかた。人間が生活する最低限の必要なことと、権利としての社会を分けている感じ。4ジャンル×4目標+パートナーシップで17目標。

グループ分けには特に正解があるわけでないので、自分なりにグルーピングして他の人の考えと見合うのもワークショップネタのひとつになる。自分が最初にグループ分け体験したのは、シブヤ大学の講座。参加者同士でグループ分けをして、発表し合った。ピラミッド構造のグループ、分類が細かいグループ、仲間外れの目標がある、、など様々だった。これも価値観とか、どれだけ関連に気づけるかとかもある。SDGs初級者向けとか、学校向けに良いワークだったと思う。

自分ならどんなグループ分けにするか?
半年前くらいに、個人で解決に向けて動けること、複数人で解決を目指せること、自治体や企業など大きい組織でないと解決できないこと、世界規模で対処しないと解決できないこと、っていう分類をしてみたことがあったな。

自分が何者かであるということの証明、紹介について

何者かになるということ。明文化しづらいけど自分が欲しているもののひとつ。「稼ぐ力」と言い換えるとわかりやすい。でも多分稼ぐ力とイコールではない。自分という人間を評価してもらって生きていくことのできる状態、必要とされる状態といえば良いのか。それが金につながるのがより個人で生きやすいのかもしれない。

大学、大学院時代は、美術×まちづくりの研究で地域の方に自分を説明するために、初めて名刺をつくった。「○○大学□□学部△△学科(○年) 氏名 連絡先」で通じた当時の名刺は、学年が変わると、卒業・修了すると、紙になってしまう。

就職してからは、会社の名刺が渡された。会社の所属と会社の連絡先が書いてある名刺。SE時代は新しいお客さんに渡すとき、あとは業後のセミナーとかでしか使う機会がなかった。所属も立場もペーペーだった当時は特に何の気兼ねもなく、自分はこの会社の社員であるという「何者か」を証明すべく当然のように名刺交換をしていた。

SEから異動して、事業開発分門になったときは、今の会社で一番たくさん名刺交換をした。いろいろな地域に行って現地の方と会話したり、セミナーに出たり、いろんな場所で、この会社の人間でこういう仕事をしているという「何者か」を、名刺交換を求められるままに配りまくっていた。

そこからさらに経営企画という部門に異動になり、事情が変わった。「経営企画という立場での名刺交換は、この会社やこの会社の意思を持った人間としての動きとみられるから、むやみに名刺交換をすべきでない」と言われた。業後のセミナーとかはなおさら、と。

意味が分からなかった。今までと何が違うのか。経営企画という立場がそんなに特殊なのか。これまで受けていたセミナーで交換していた名刺交換の意味はなんだったんだろう。過去の名刺交換も含めて、そこまで考慮すべきだったのか。

決して、会社の名誉を傷つけるような行いとか言動をするようなことはしていない。会社の立場、評価が下がるようなことを自ら望んでやるような人はそうそういないと思うし。

それを上司に言われてから、それまでのセミナーとか外部との関わりも改めて考えるようになった。それまでは深く考えることなく、自分はこの会社の人間であるということを名刺で証明し、「自分が何者か」を説明してきた。でも会社の名刺に頼らずに自分を紹介する、自分を証明するとしたら、自分は何者なのか。

職務経歴でみてもSE5年、新規事業開発3年、経営企画1年、役職もない一般社員。紹介にならない。それもあって、これまで勉強していたSDGsのゲームに関するファシリテーターの資格?を取り出した。「何者か」が、会社の肩書きが消えた時点で説明できるものがないのは、会社に依存するしかなくなる。

今、会社の所属によらずに説明できることは、「2030カードゲーム公認ファシリテーター」であり、「SDGs de 地方創生カードゲーム公認ファシリテーター」であり、「SDGsボードゲーム公認ファシリテーター」であり、「SDGsアウトサイドインカードゲーム公認ファシリテーター」であり、「SDGs検定」に合格している人間である。NPOつくるなり起業なりして会社以外の所属をつくるっていうのも手なんだろうけど、、

でも「自分が何者か」っていうのが、どっかの組織に所属していることで説明するっていうのもなんか違和感がある。ラインとか交換する時点では、お互いが何者かを意識することはない。ビジネスライクな状況というか、名刺交換をするときに発生する「何者かの証明」、たとえば不労所得で生きてるフリーターとか、生活保護で生きてるニートとか、どう表現するんか。。

そもそも自分が何者であるかの証明ってのは誰に対する証明が求められているのか、名刺でそれが果たせるのか、名刺の役割りってなんなのか。。。迷走。

つづく。

インサイドアウトからアウトサイドインへ

2019年、シブヤ大学が開催したSDGsをテーマにした講座で紹介された言葉シリーズ。「SDGsは世界共通言語、新しい問題解決思考」と。その中のひとつが、「インサイドアウトからアウトサイドインへ」という変化。

インサイドアウトは、別な表現でいうとプロダクトアウトとか。自分が持っている資源で何ができるか?という思考。それに対して、アウトサイドインは外側=顧客の外側=社会が求めていることに対して自分が持っている資源をどう活用するかという視点。

これまでの問題解決思考はインサイドアウトだった。自社の製品・サービスをもって、ブルーオーシャンに投入するとか、新しく市場をつくるっていう感覚かなぁ。拡大志向、社会の右肩上がりを想定した考え方ともいえるかもしれない。

でも、今の世の中、本当に真新しいものっていうのはそんな数多く誕生させられるものではない。日本においては、大概のものはお金を払えば手に入るし、大概のものには大概複数種類の選択肢がある。モノとかサービスが飽和している状態で、爆発的な情報量が毎日生まれ続けている。通り一遍な情報発信をしていても、狙ったターゲットにはまず刺さらない。ターゲットを絞らず「すべての人」を対象にするとよりいっそうどこにも刺さらないくらい。今は、消費者が情報を取捨選択して、自分が選択したものに対価を払う時代。

プロダクトアウトに対してマーケットインという考え方もある。マーケット=顧客市場が求めているものを知り(マーケティング?)、自社製品・サービスをどう作って展開していくか。対象とする顧客が具体化していればいるほど、ポイントを訴求できる。独りよがりな製品やサービスをつくって売れない、ていう可能性が低くなる。

この概念の延長がアウトサイドインかなぁと思う。顧客のニーズを読み取って製品・サービスに活かすところからもっと視野を広げて、社会が何を求めているか、社会が解決を望んでいる課題は何かを考え、社会課題から事業を考える思考法。社会課題は単一的な原因てことはまずなくて、巨大で複雑。基本的に自社だけでは解決できないようなレベルの課題が多いし、自社の製品・サービスでは不十分ということもザラにある。課題と、自分ができることの間にギャップがある状態。このギャップを埋めて解決に向かう手法がイノベーションだったり、外部組織とのパートナーシップだったりする。

これからの仕事は、いかに社会課題を定義して、その解決に必要な資源を集めて、チームでその課題に立ち向かうか。いかに事業として持続的に社会の課題を解決しながら自社も成長していけるか。が問われる時代になるのかなと。シブヤ大学の資料と、先日のSDGsアウトサイドインカードゲームのインプットからのアウトプット。上手にまとめられる文才がほしい。

つづく。

【SDGsを体感するゲーム】SDGs アウトサイドインカードゲーム

SDGsを、ゲームを通じて体験するカードゲーム代表三種。「2030カードゲーム」「SDGs de 地方創生カードゲーム」もうひとつが「SDGsアウトサイドインカードゲーム」。対面で行うカードゲームが基本だけど、オンライン実装の先駆けでもある。2020年9月、オンラインで体験した。

運営は仙台にある株式会社オークジャパンと、株式会社Project Design。ゲーム開発にプロジェクトデザインが絡んでいるところは2030と地方創生と同じ。導入説明のパワポもちょい似てるとこがある。ゲーム自体はサイトがあり、オンラインで体験する場合はzoomとセットで駆使する感じ。チームで活動するときの打ち合わせはzoomで、ゲーム画面と切り替えながら(というかzoomは画面小さくして)進める感じ。

2030がSDGsの本質理解、抽象的な内容で小学生から体験できる、地方創生が問題理解、具体的な内容で中学生から体験できるのに対し、SDGsアウトサイドインは企業向け、CSV捉えなおしや新規事業開発、組織開発への活用を目的とするもう少し大人向けの内容な気がした。いやただ単にゲームとして楽しむなら対象年齢下げられるんだろうけども。目的が違うからなー。

とてもざっくり言うと、自分がプレイヤーカード(SDGs目標1~16に沿った価値観のカード)を選択し、自分のチーム=企業を決め、その企業が持つカード(社会課題カード、アセット(自社の強み)カード、リソース(自社の資源)カードがそれぞれ複数枚)と資金(最初は15億)をもとにアセットカードとリソースカードを組み合わせて資金をかけて事業開発。事業はうまくいく場合と失敗する場合がある。失敗したら別の組み合わせで再挑戦。うまくいった場合は資金が得られ、新規事業カードが与えられる。新規事業カードは、自社が持つ別のカード(プロモーションカード)を使って事業拡大を行う。ほしいカードが手元にない場合、他チーム(他の企業)との交渉は自由。前半と後半の2回ゲームを繰り返し、最終的に持っている資金と開発した事業数を競う、というもの。

今日のは途中ゲームシステムに不具合が発生し、前半後半でなく後半がリセットされた状態からのスタートとなったりいろいろあったが、良い感じに練習になった前半のおかげで後半は要領をつかめてゲームを進められた気がする。しかしこのゲームも、ひとつひとつ現実世界のシミュレーションになる。ゲーム中は事業開発をインサイドアウト思考、事業拡大をアウトサイドイン思考で進めてた気がするけど、社会課題を起点に事業開発ってのはほとんど考えられてなかった。カードを読み込んでたら何か変わったんだろうか。

しかしオンライン、だいぶ通信環境良くないと難しいかも。

2020年9月末、このゲームのファシリテーター資格も取得した。ファシリテーターオタクみたいになってきたな。公開して良いもんだったら、それぞれのゲームのカード内容についても深めたい。

つづく。

【SDGsを体感するゲーム】SDGs de 地方創生ゲーム

2020年6月、SDGs de 地方創生カードゲームの公認ファシリテーターの資格を取った。

運営事務局はissue+designというNPOと、株式会社Project Designという会社。ゲームを体験したのは2020年2月。コロナ感染が拡がりつつある状況で、感染対策(マスク、消毒)しての体験。SDGs関連ゲーム(ボードゲーム2030カードゲーム)と比べてルールは一番難しいように感じた。でもおもしろい。何回でもやりたい。

2030ゲームに似ている部分が多いけど、2030がグローバル視点だとすると、今回は日本版という感じ。地方の現状とか、ほんとにあるだろうなと思えるプロジェクトカードがある。あとは、参加者の中でも民間と役所に分かれているところ、まち(ゲーム上の世界)の状況を表す指標が4種類あるところも2030ゲームと異なるポイント。ほかに、2030ゲームはお金と時間を使ってプロジェクトを実行するのに対して、地方創生ゲームはお金とリソース(人)を使ってプロジェクトを実行する。

2030と共通するのは、「ゲームの世界、行いが現実世界にもリンクして考えられる」こと。実行したいプロジェクトに対しリソース(お金や時間、協力者)が不足していたら何をすべきか?自分が目の前のプロジェクト=世界に良い影響を与えようとしているときに、他の人は何をしているのか?世界はどんな状況なのか?ゲームを振り返ると同時に自分の生活を振り返ることにもつながる。

公認ファシリテーター講座はオンライン実施。2030のような試験的なものはなく、制度設計についての説明とか、特徴的なカード捌きの練習など。その分、本番での自分の練習量が問われるのだな。そして一番難しいのは、ゲームの運営でなく、その後の振り返り。ファシリテーターとしての中立性はどこまでも問われるところか。

2030と同様、まだ講座後に実践できていない。こっちもはやく実践したい。

そして2020年9月5日(土)、SDGs de 地方創生カードゲーム体験会が二子玉川で開催された。この体験会に、仮免卒業のためにサポートとして参加させて頂いた。ファシリテーター養成講座を受け、公認ファシリテーターが開催する会に1回以上サポートとして入ることで仮免を卒業できるシステム。

昨日は参加者12人。行政4チーム、民間7チームの11チームでプレイ。事前準備、ゲームの事務局はこんな感じ。
前日に練習したものの、緊張。自分がメインで開催することをイメージしながら見学。話し方、トーン、スピード、事例の出し方、目線の配り方。参加者の反応が良く、頷きながら聞いていたので話しやすそうだなと思った。

いざゲームが始まると、参加者がめちゃくちゃ積極的で事務局めちゃ忙しい状態、撮影も水分補給もままならず汗かいた。どの参加者も熱中している。このゲームの設計や資料など、コンテンツへの信頼が増す。資料に沿って説明すれば理解されるし、熱中してもらえる。そして熱中するほど、振り返りが充実する。12分×4ターン、あっという間だった。プロジェクトカードがなくなる事態になった。地域の状況メーターの結果がこちら

暮らしがずば抜けて良い結果。めちゃくちゃ住みやすい。他の指標も上々。持続可能な地域になった。振り返りでは「現実世界に通じるところが多く、行政巻き込みが必要なのだとわかった。現実は個人が積極的に動くことも難しいけど、いろいろな人を巻き込んで動くことでプロジェクトを実行し、地域の状況を変えていく意識が大事。」「自分は目的をもって行ったプロジェクトに目的とする効果がなかったり、意外なまちの動きがあったりして良かった」などの感想が出ていた。

自分がファシリテーターを務めるときにはゲームの事務局に回ってはダメだなとか(事務局作業で忙しくて参加者の様子を観察できない、具体的なフィードバックができない)、カードセットを何に収納しているかとか、進め方やヘルプの人数も勉強になった。

ひとつ武器ができた。どこかで実践したい。誰か練習付き合ってほしい。。。

【SDGsを体感するゲーム】2030SDGsカードゲーム

2020年4月、2030SDGsカードゲームの公認ファシリテーター認定講座を受けた。

2030SDGsカードゲームは、2030年までにSDGsの17目標を達成するシミュレーションゲーム。プレイヤーカード、お金カード、時間カード、プロジェクトカードがある。プレイヤーカードは5種類あり、プレイヤーはお金と時間を使ってプロジェクトを達成することで、自分の目標の達成を目指す。

世界で200万人以上が体験しており、「ゲームを通してSDGsについて知る」系ゲームで一番メジャーといえる。主催はイマココラボ

最初にゲームを体験したときは、30人弱の参加者、二人1組の計15チームで実施。見事全チーム目標達成、スコアも良い結果に終わった。ゲーム時間が意外と短い、振り返りの時間が多いなという印象。あとは、世界にマイナス影響を与えそうなプロジェクトが実行されてしまったことについて、世界は持続可能になってもその世界のどこかでマイナスな状況が続いているのは果たして良いのか?という疑問・モヤモヤが残った。

公認ファシリテーター認定講座は、コロナ影響によりオンラインで3日間実施。「やり方」と「あり方」を意識し続ける講座、「やり方」はお手本動画を中心に反復練習して習得、「あり方」はカードゲームでより多くの参加者により気づきを与えるためのファシリテーターのあり方について、内省するような、自分の無意識に気づくような講座が多かった。

ファシリテーションとティーチングの違いを意識してゲームの場を設計することが求められる。

自分が参加者の立場でモヤモヤしたのはこのためか。

まだ実践できていないが、この中立性を意識しながら開催したい。置賜エリアでやりたいなぁ。関東は緊急事態宣言下だし、人を集めづらい。
オンライン版も作成中とのこと、ビビらずに自主的にできるようになりたい。

2030カードゲームは情報が多いので、ゆっくり更新。

つづく。

【SDGsを体感するゲーム】SDGsボードゲーム

2020年4月、Sustainable World BOARD GAMEの公認ファシリテーター認定証を取得した。

4人以上で実施するボードゲーム。SDGsの目標を達成するためのプレイヤー4種(大企業、中小零細企業、NPO、大学)に分かれ、それぞれの役割のゴールを目指しながら、日本地図を模したスゴロク風マップとSDGs17目標のスコアボードを使い、お金を使ってミッションをクリアしていくことでゲーム上の世界を持続可能な状態にするという二つのゴールを目指すゲーム。

1ターンを1年として計算し、ターンごとにプレイヤーには年間予算としてお金が与えられる。プレイヤーはそれぞれサイコロをふり、出た目の数だけ日本地図上のマップの駒を進める。駒が止まるマスの形によって、種類の異なるミッションカード、イベントカードを1枚引くことができる。

年間予算として与えられるお金には2種類(黄色、赤)ある。黄色いお金は次年度へ繰り越しできないお金、そのターン内で使い切らなければ回収されるお金。赤お金は次年度へ繰り越し可能なお金。お金の単位は黄色も赤も同じ額。

ミッションカードは経済・社会・環境の3ジャンルに分かれており、ミッションを行うかどうかは参加しているプレイヤー同士で話し合って決める。各ミッションカードにはその実行によって世界に与える影響が数値で記載されており、ミッションを実行(実行するミッションを宣言し、必要なお金を銀行へわたす)すると、記載されている数値のとおりにスコアボードのSDGs目標ごとのスコアが変動する。

イベントカードは、プレイヤー同士の意思に寄らず発生するイベント、リアル社会でもよく起きる外部影響要因が発生する。

他のボードゲームと異なり、個人間の競争はなく、自分の目標達成も目指しながらボードゲーム上の世界をゴールさせるという、協働型のゲームである点が珍しい。時間が許せば最終ゴールまで続けたいが、基本は時間を区切って途中で終了するパターンになる。ゴールを目指すゲームであるが、ゴール自体が目標というよりは、ゲームの振り返りの時間を大切にしている。なぜそのミッションを実行することにしたのか、自分が気になったミッションは何か、などゲームを通してSDGsの考え方や具体的な行動、各プレイヤーの役割について考えることが、参加者個人個人の気づきにつながる。

ゲームを制作したのは、一般社団法人未来技術推進協会。ぷよぷよの世界チャンピオンがゲーム設計を行ったとのこと。100枚以上あるミッションカードに書いてあるミッションは、実例。日本、または海外の企業が実際に行った事業や取組みがカードになっている。対象は小学生から大人まで。学校や企業研修等でも活用されているとのこと。

比較的少人数でも実施できること、子供でもわかりやすいルールであること、実例がカードになっていることで、視野が高く考え方が広くて「自分事」化しにくい人たちにもやさしいアプローチで「自分事」を考えることができるようになるゲームだと思う。

ニーズがあるところで実践したい。オンライン版もあるので、身近なところから。

ゲーム説明へたくそだった。ちゃんと整理してから書くとかしなければ。

つづく。