インサイドアウトからアウトサイドインへ

2019年、シブヤ大学が開催したSDGsをテーマにした講座で紹介された言葉シリーズ。「SDGsは世界共通言語、新しい問題解決思考」と。その中のひとつが、「インサイドアウトからアウトサイドインへ」という変化。

インサイドアウトは、別な表現でいうとプロダクトアウトとか。自分が持っている資源で何ができるか?という思考。それに対して、アウトサイドインは外側=顧客の外側=社会が求めていることに対して自分が持っている資源をどう活用するかという視点。

これまでの問題解決思考はインサイドアウトだった。自社の製品・サービスをもって、ブルーオーシャンに投入するとか、新しく市場をつくるっていう感覚かなぁ。拡大志向、社会の右肩上がりを想定した考え方ともいえるかもしれない。

でも、今の世の中、本当に真新しいものっていうのはそんな数多く誕生させられるものではない。日本においては、大概のものはお金を払えば手に入るし、大概のものには大概複数種類の選択肢がある。モノとかサービスが飽和している状態で、爆発的な情報量が毎日生まれ続けている。通り一遍な情報発信をしていても、狙ったターゲットにはまず刺さらない。ターゲットを絞らず「すべての人」を対象にするとよりいっそうどこにも刺さらないくらい。今は、消費者が情報を取捨選択して、自分が選択したものに対価を払う時代。

プロダクトアウトに対してマーケットインという考え方もある。マーケット=顧客市場が求めているものを知り(マーケティング?)、自社製品・サービスをどう作って展開していくか。対象とする顧客が具体化していればいるほど、ポイントを訴求できる。独りよがりな製品やサービスをつくって売れない、ていう可能性が低くなる。

この概念の延長がアウトサイドインかなぁと思う。顧客のニーズを読み取って製品・サービスに活かすところからもっと視野を広げて、社会が何を求めているか、社会が解決を望んでいる課題は何かを考え、社会課題から事業を考える思考法。社会課題は単一的な原因てことはまずなくて、巨大で複雑。基本的に自社だけでは解決できないようなレベルの課題が多いし、自社の製品・サービスでは不十分ということもザラにある。課題と、自分ができることの間にギャップがある状態。このギャップを埋めて解決に向かう手法がイノベーションだったり、外部組織とのパートナーシップだったりする。

これからの仕事は、いかに社会課題を定義して、その解決に必要な資源を集めて、チームでその課題に立ち向かうか。いかに事業として持続的に社会の課題を解決しながら自社も成長していけるか。が問われる時代になるのかなと。シブヤ大学の資料と、先日のSDGsアウトサイドインカードゲームのインプットからのアウトプット。上手にまとめられる文才がほしい。

つづく。

【SDGsを体感するゲーム】SDGs アウトサイドインカードゲーム

SDGsを、ゲームを通じて体験するカードゲーム代表三種。「2030カードゲーム」「SDGs de 地方創生カードゲーム」もうひとつが「SDGsアウトサイドインカードゲーム」。対面で行うカードゲームが基本だけど、オンライン実装の先駆けでもある。2020年9月、オンラインで体験した。

運営は仙台にある株式会社オークジャパンと、株式会社Project Design。ゲーム開発にプロジェクトデザインが絡んでいるところは2030と地方創生と同じ。導入説明のパワポもちょい似てるとこがある。ゲーム自体はサイトがあり、オンラインで体験する場合はzoomとセットで駆使する感じ。チームで活動するときの打ち合わせはzoomで、ゲーム画面と切り替えながら(というかzoomは画面小さくして)進める感じ。

2030がSDGsの本質理解、抽象的な内容で小学生から体験できる、地方創生が問題理解、具体的な内容で中学生から体験できるのに対し、SDGsアウトサイドインは企業向け、CSV捉えなおしや新規事業開発、組織開発への活用を目的とするもう少し大人向けの内容な気がした。いやただ単にゲームとして楽しむなら対象年齢下げられるんだろうけども。目的が違うからなー。

とてもざっくり言うと、自分がプレイヤーカード(SDGs目標1~16に沿った価値観のカード)を選択し、自分のチーム=企業を決め、その企業が持つカード(社会課題カード、アセット(自社の強み)カード、リソース(自社の資源)カードがそれぞれ複数枚)と資金(最初は15億)をもとにアセットカードとリソースカードを組み合わせて資金をかけて事業開発。事業はうまくいく場合と失敗する場合がある。失敗したら別の組み合わせで再挑戦。うまくいった場合は資金が得られ、新規事業カードが与えられる。新規事業カードは、自社が持つ別のカード(プロモーションカード)を使って事業拡大を行う。ほしいカードが手元にない場合、他チーム(他の企業)との交渉は自由。前半と後半の2回ゲームを繰り返し、最終的に持っている資金と開発した事業数を競う、というもの。

今日のは途中ゲームシステムに不具合が発生し、前半後半でなく後半がリセットされた状態からのスタートとなったりいろいろあったが、良い感じに練習になった前半のおかげで後半は要領をつかめてゲームを進められた気がする。しかしこのゲームも、ひとつひとつ現実世界のシミュレーションになる。ゲーム中は事業開発をインサイドアウト思考、事業拡大をアウトサイドイン思考で進めてた気がするけど、社会課題を起点に事業開発ってのはほとんど考えられてなかった。カードを読み込んでたら何か変わったんだろうか。

しかしオンライン、だいぶ通信環境良くないと難しいかも。

2020年9月末、このゲームのファシリテーター資格も取得した。ファシリテーターオタクみたいになってきたな。公開して良いもんだったら、それぞれのゲームのカード内容についても深めたい。

つづく。

【SDGsを体感するゲーム】SDGs de 地方創生ゲーム

2020年6月、SDGs de 地方創生カードゲームの公認ファシリテーターの資格を取った。

運営事務局はissue+designというNPOと、株式会社Project Designという会社。ゲームを体験したのは2020年2月。コロナ感染が拡がりつつある状況で、感染対策(マスク、消毒)しての体験。SDGs関連ゲーム(ボードゲーム2030カードゲーム)と比べてルールは一番難しいように感じた。でもおもしろい。何回でもやりたい。

2030ゲームに似ている部分が多いけど、2030がグローバル視点だとすると、今回は日本版という感じ。地方の現状とか、ほんとにあるだろうなと思えるプロジェクトカードがある。あとは、参加者の中でも民間と役所に分かれているところ、まち(ゲーム上の世界)の状況を表す指標が4種類あるところも2030ゲームと異なるポイント。ほかに、2030ゲームはお金と時間を使ってプロジェクトを実行するのに対して、地方創生ゲームはお金とリソース(人)を使ってプロジェクトを実行する。

2030と共通するのは、「ゲームの世界、行いが現実世界にもリンクして考えられる」こと。実行したいプロジェクトに対しリソース(お金や時間、協力者)が不足していたら何をすべきか?自分が目の前のプロジェクト=世界に良い影響を与えようとしているときに、他の人は何をしているのか?世界はどんな状況なのか?ゲームを振り返ると同時に自分の生活を振り返ることにもつながる。

公認ファシリテーター講座はオンライン実施。2030のような試験的なものはなく、制度設計についての説明とか、特徴的なカード捌きの練習など。その分、本番での自分の練習量が問われるのだな。そして一番難しいのは、ゲームの運営でなく、その後の振り返り。ファシリテーターとしての中立性はどこまでも問われるところか。

2030と同様、まだ講座後に実践できていない。こっちもはやく実践したい。

そして2020年9月5日(土)、SDGs de 地方創生カードゲーム体験会が二子玉川で開催された。この体験会に、仮免卒業のためにサポートとして参加させて頂いた。ファシリテーター養成講座を受け、公認ファシリテーターが開催する会に1回以上サポートとして入ることで仮免を卒業できるシステム。

昨日は参加者12人。行政4チーム、民間7チームの11チームでプレイ。事前準備、ゲームの事務局はこんな感じ。
前日に練習したものの、緊張。自分がメインで開催することをイメージしながら見学。話し方、トーン、スピード、事例の出し方、目線の配り方。参加者の反応が良く、頷きながら聞いていたので話しやすそうだなと思った。

いざゲームが始まると、参加者がめちゃくちゃ積極的で事務局めちゃ忙しい状態、撮影も水分補給もままならず汗かいた。どの参加者も熱中している。このゲームの設計や資料など、コンテンツへの信頼が増す。資料に沿って説明すれば理解されるし、熱中してもらえる。そして熱中するほど、振り返りが充実する。12分×4ターン、あっという間だった。プロジェクトカードがなくなる事態になった。地域の状況メーターの結果がこちら

暮らしがずば抜けて良い結果。めちゃくちゃ住みやすい。他の指標も上々。持続可能な地域になった。振り返りでは「現実世界に通じるところが多く、行政巻き込みが必要なのだとわかった。現実は個人が積極的に動くことも難しいけど、いろいろな人を巻き込んで動くことでプロジェクトを実行し、地域の状況を変えていく意識が大事。」「自分は目的をもって行ったプロジェクトに目的とする効果がなかったり、意外なまちの動きがあったりして良かった」などの感想が出ていた。

自分がファシリテーターを務めるときにはゲームの事務局に回ってはダメだなとか(事務局作業で忙しくて参加者の様子を観察できない、具体的なフィードバックができない)、カードセットを何に収納しているかとか、進め方やヘルプの人数も勉強になった。

ひとつ武器ができた。どこかで実践したい。誰か練習付き合ってほしい。。。

【SDGsを体感するゲーム】2030SDGsカードゲーム

2020年4月、2030SDGsカードゲームの公認ファシリテーター認定講座を受けた。

2030SDGsカードゲームは、2030年までにSDGsの17目標を達成するシミュレーションゲーム。プレイヤーカード、お金カード、時間カード、プロジェクトカードがある。プレイヤーカードは5種類あり、プレイヤーはお金と時間を使ってプロジェクトを達成することで、自分の目標の達成を目指す。

世界で200万人以上が体験しており、「ゲームを通してSDGsについて知る」系ゲームで一番メジャーといえる。主催はイマココラボ

最初にゲームを体験したときは、30人弱の参加者、二人1組の計15チームで実施。見事全チーム目標達成、スコアも良い結果に終わった。ゲーム時間が意外と短い、振り返りの時間が多いなという印象。あとは、世界にマイナス影響を与えそうなプロジェクトが実行されてしまったことについて、世界は持続可能になってもその世界のどこかでマイナスな状況が続いているのは果たして良いのか?という疑問・モヤモヤが残った。

公認ファシリテーター認定講座は、コロナ影響によりオンラインで3日間実施。「やり方」と「あり方」を意識し続ける講座、「やり方」はお手本動画を中心に反復練習して習得、「あり方」はカードゲームでより多くの参加者により気づきを与えるためのファシリテーターのあり方について、内省するような、自分の無意識に気づくような講座が多かった。

ファシリテーションとティーチングの違いを意識してゲームの場を設計することが求められる。

自分が参加者の立場でモヤモヤしたのはこのためか。

まだ実践できていないが、この中立性を意識しながら開催したい。置賜エリアでやりたいなぁ。関東は緊急事態宣言下だし、人を集めづらい。
オンライン版も作成中とのこと、ビビらずに自主的にできるようになりたい。

2030カードゲームは情報が多いので、ゆっくり更新。

つづく。

【SDGsを体感するゲーム】SDGsボードゲーム

2020年4月、Sustainable World BOARD GAMEの公認ファシリテーター認定証を取得した。

4人以上で実施するボードゲーム。SDGsの目標を達成するためのプレイヤー4種(大企業、中小零細企業、NPO、大学)に分かれ、それぞれの役割のゴールを目指しながら、日本地図を模したスゴロク風マップとSDGs17目標のスコアボードを使い、お金を使ってミッションをクリアしていくことでゲーム上の世界を持続可能な状態にするという二つのゴールを目指すゲーム。

1ターンを1年として計算し、ターンごとにプレイヤーには年間予算としてお金が与えられる。プレイヤーはそれぞれサイコロをふり、出た目の数だけ日本地図上のマップの駒を進める。駒が止まるマスの形によって、種類の異なるミッションカード、イベントカードを1枚引くことができる。

年間予算として与えられるお金には2種類(黄色、赤)ある。黄色いお金は次年度へ繰り越しできないお金、そのターン内で使い切らなければ回収されるお金。赤お金は次年度へ繰り越し可能なお金。お金の単位は黄色も赤も同じ額。

ミッションカードは経済・社会・環境の3ジャンルに分かれており、ミッションを行うかどうかは参加しているプレイヤー同士で話し合って決める。各ミッションカードにはその実行によって世界に与える影響が数値で記載されており、ミッションを実行(実行するミッションを宣言し、必要なお金を銀行へわたす)すると、記載されている数値のとおりにスコアボードのSDGs目標ごとのスコアが変動する。

イベントカードは、プレイヤー同士の意思に寄らず発生するイベント、リアル社会でもよく起きる外部影響要因が発生する。

他のボードゲームと異なり、個人間の競争はなく、自分の目標達成も目指しながらボードゲーム上の世界をゴールさせるという、協働型のゲームである点が珍しい。時間が許せば最終ゴールまで続けたいが、基本は時間を区切って途中で終了するパターンになる。ゴールを目指すゲームであるが、ゴール自体が目標というよりは、ゲームの振り返りの時間を大切にしている。なぜそのミッションを実行することにしたのか、自分が気になったミッションは何か、などゲームを通してSDGsの考え方や具体的な行動、各プレイヤーの役割について考えることが、参加者個人個人の気づきにつながる。

ゲームを制作したのは、一般社団法人未来技術推進協会。ぷよぷよの世界チャンピオンがゲーム設計を行ったとのこと。100枚以上あるミッションカードに書いてあるミッションは、実例。日本、または海外の企業が実際に行った事業や取組みがカードになっている。対象は小学生から大人まで。学校や企業研修等でも活用されているとのこと。

比較的少人数でも実施できること、子供でもわかりやすいルールであること、実例がカードになっていることで、視野が高く考え方が広くて「自分事」化しにくい人たちにもやさしいアプローチで「自分事」を考えることができるようになるゲームだと思う。

ニーズがあるところで実践したい。オンライン版もあるので、身近なところから。

ゲーム説明へたくそだった。ちゃんと整理してから書くとかしなければ。

つづく。

会社がSDGsに取り組むとき

企業がSDGsに取り組むべき理由。国連や各国政府の力だけでは解決できない問題を、民間企業の力を使って解決に近づけることができるから。

企業がSDGsに取り組むメリット。企業価値向上、事業機会増加、レピュテーション向上、事業リスク低下、ESG投資家からの投資を得やすくなる、顧客への付加価値提供、社員のモチベーション向上、目指すべき方向の明確化、高い視座を身につけることによる未来を考える社員育成、社会貢献の意識が高い学生や中途社員の採用に有利。などなど。

企業がSDGsに取り組むデメリット。上記の反対。

最近はテレビCMでも「サステナビリティ」「持続可能」「未来への約束」「SDGs」を発信する企業が増えてきた。企業のコーポレートサイトでも取り組みを発信している企業は大分多い。

その取り組み内容は、パフォーマンスから本気中の本気のところまで、グラデーション的にさまざま。専門家が見ると、パフォーマンス(SDGsを糊付けしただけ)か、本気の取り組みかはすぐに見分けがつくらしい。

SDGsをビジネスに組み込んで取り組むにはいくつか方法がある。SDGsCompassが代表的な5ステップで示している。これについては別記事で。ほかに、『SDGsビジネス戦略』という本もあるし、探せばいくらでも出てくる。

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感想(1件)

簡単に言えばPDCAサイクルに似ているが、普通のPDCAとSDGsのステップで大きく異なるのは、SDGsCompassでいうステップ5「報告とコミュニケーション」で、企業が外部ステークホルダーに対して報告とコミュニケーションを行うことが組み込まれている点。自社に閉じた活動では不十分。

そして、これがあるからこそ、それぞれのステップに「責任」が発生する。なぜその活動なのか、なぜその目標なのか、なぜその課題なのか、ひとつひとつのステップを逆行していってもしっかり語れる必要がある。それができないと「パフォーマンスだけ」とみなされかねない。SDGsウォッシュ。

簡単な作業ではないから、正直、本気で取り組む意思がない状態、経営層の意識が醸成されていない状態での取り組みはオススメできない。生半可な覚悟で手を出すくらいなら、まだ組み込みませんという意志をあらわすほうがウォッシュの被害=企業がSDGsに取り組まないデメリットをみすみすこうむらずに済む。

ただ、世界の共通目標に向けて、地球上に暮らす全世界の人々が取り組むべきと言われているものであることも事実。「取り組まない」と明言する選択肢ができるのも、ここ数年のうちな気がする。

だとすると、中小零細企業とか、意識はあってもすぐには取り組めないよ、取り組みたくても余裕がないよ、どうすれば良いのかわからないよっていう人たちのためのSDGs経営ツールというか、簡単に導入できるような仕組みはこれからニーズがあるかもしれない。

「なんとかしなければならない」という意識を持っている人に対する価値は与えられるかもしれない。

SDGsコンサルタント」って職業、できるんだろうか。

つづく。

言葉の定義

言葉の定義は、ときには会話の前提でやっておかないとエライ目に合うこともある。

たとえば、「普通」。「普通だったらこうでしょ」「普通やるでしょ」日本人が大好きでよく言う言葉だと思う。でもこの「普通」は、個人の生きてきた人生観・価値観で大いに変わる。ジェネレーションギャップとかカルチャーショックと一緒、時代や土地によってぜんぜん異なる。その差は「普通」ではなく「文化」。「普通、(だから自分の考えは正しい)」とか「普通(はこうだから、お前が言ってることはおかしい」っていう会話は、まず前提を整理してからでないと、同じ言葉を使って違う会話をしててぜんぜん噛み合わない、てことが大いにありうる。

割と大手の新卒採用選考で一次選考でありがちなグループワークでは、書記役は通過の鉄板だってコツを聞いてよく買って出てたのを思い出す。初対面で会う学生同士、「進行≒リーダー≒発表者」「書記」「その他」が大きく分かれる役割。積極性評価という点ではリーダーが評価高そうだし、実際多少の加点はあると思う。書記は、メンバーの話をまとめながら書くことで、発表者に発表内容を誘導できる、実質裏リーダーというかそのグループワークを仕切ることができる。整理しながら書くのもコツがいるけど、そのひとつが言葉の定義。メンバーのバラバラな意識を、定義によって絞り込むことで凝縮したディスカッションをすることができる。

就職後の業務の中で言葉の定義を合わせる作業・機会がないなと感じる。そのために、同じプロジェクトをしていても噛み合わなくてうまくいかないこともある気がする。うまくいかないことの要因は一つとは限らず、それぞれが独立しているということも滅多にないから言葉の定義の問題だけとは言えないけども。ただ、職場では結構ないがしろにされる工程な気もする。「この部署はこれが普通だ」と言われ、議論の前に教えられる。作業ベースの新人なら理解するだけかもしれないけど、考えて決めることが仕事になってくると、少なからず業務に支障をきたすようになると思う。どうにかならんもんか。

「大きい」「小さい」の感覚の違い、「早い」「遅い」の感覚の違い、「ちょっと」の量、「普通」「一般的には」の定義、「豊かさ」「幸せ」の定義、「まち」の定義、「地域」と「地方」の違い、「みんな」の定義、「男」と「女」の境目。

学習指導要領にわざわざ解説本があるように、解釈・定義を説明する行為は必要だと思う。SDGsが書いてある「持続可能な開発のための2030アジェンダ」もそう。劇的な文章だけど、難しい表現も多い。日本語訳の代表的なものもあるけど、部分部分はふさわしくない表現もあるように思う。「女性および女児の「エンパワーメント」が「能力強化」とか。

定義をディスカッションするだけでも時間がかかる。でも時間かけずに分かり合うっていうのも結構無理がある話。

間違っちゃいけないのは、「平等」と「公平」は違うし、それは「普通」でもないこと。

仕事の中でも「定義」は大事にしたい。

言葉の定義が合わない、話がかみ合わなくてモヤモヤする、人間関係に困っているならコレ。漫画で読みやすい。共感できること多数。

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まちに暮らす人がそのまちを好きな状態をつくる

自分がやりたい「地域活性化」を一言でいうと「まちに暮らす人がそのまちを好きな状態をつくる」。そのまちが好きでそこに住んでいる人は、自分のまちに誇りと愛着があり、自分の行動でまちに良い影響を与えたい(悪い影響を与えたくない)と思うのではないか。そう考えるひとが増えれば、来訪者に対するおもてなしの対応も自発的に、丁寧になるのではないか。そんなおもてなしを受けた来訪者はそのまちを心地よい場所と思ってくれるのではないか。そんな来訪者が増えたら、より一層経済も活性し、まちに暮らす人の生活に還元され、それがまちへの誇りと愛着をより深めることにつながるのではないか。という仮説。

自分の地元の場合、高校で進学校に行った人は大学へ進学し、東京へ就職、そのまま戻ることがないという典型的地方から若者が出ていくパターン。高校で私立や商業・工業などの専科高校へ行った人はそのまま地元就職というパターンが多い。もちろん大学卒業後地元就職する人もいるし、専科高校で地元外に就職する人もいるが、多数はこの2パターンでないかと思う。進学後そのまま戻らないパターンは、地元に求める就職先がない、とにかく地元を出たい、等の理由か。専科高校から就職するパターンは、(本当は地元を離れたいが、)他に行く場所がないから仕方なく、という理由を耳にした。

20歳(今は18歳)を過ぎれば選挙権が得られる。自分たちが理想とするまちに変えるという行動を、気持ち次第で実現できる年齢。自分が暮らすまちに対して不満を持ちながら暮らすのはもったいないと思う。

ひとによって「幸せ」の定義はバラバラだし、理想のまちのありかたもバラバラなのは当然。それでも共通項は見いだせると思う。たとえば、政策創造塾とパイプドビッツが行った全国2万人を対象にした「幸福度調査」によると、社会参加に自分が関わるほど、その人の幸福度があがるということが統計結果から明らかになっている。深さや密度の差はあっても、人や社会とつながることは、人の幸福度に大きく影響する。

個人とまちとのつながり方にはグラデーションがあって良い。それぞれの濃度に合わせて社会・まちとつながれる環境を用意することが必要だと考える。そんな環境・プラットフォームづくりをしたい。地域活性化の意識の高い人たちだけが盛り上がっているような状況、観光地だけがうれしい状況はちょっと違うんじゃないかなと。全員が積極的にまちづくりに参加することを強制するわけでもなく、それぞれの意識の差によって柔軟に社会とのかかわり方を変えることができるような環境を全国各地の地域につくりたい。つながりたいときにつながれる、つながりたくないときは距離が置ける、ゆるい関係が良いなぁと思う。

まちに暮らす人が、そのまちを好きになる状態をつくる。もっと端的に言いたい。

つづく。

サステナビリティ経営とSDGs経営

SDGsを理解し、企業経営に組み込む「SDGs経営」。SDGsが採択される前から潮流はあったので、その当時から取り組んでいた企業は「サステナビリティ経営」と表現したりしている。SDGs=持続可能な開発目標」は2030年に向けた野心的な目標なので、「10年後に達成するために会社やってんじゃないわ」っていう企業はサステナビリティという言葉を使うことが多いように思う。個人的には、2028年ぐらいに「SDGs経営」を言い出すのは遅すぎると思うけど、今なら「SDGs経営」って言っても良いんでは?と思う。日本企業がいつからかなぜか3~5年の「中期経営計画を立てるのが常識」みたいな文化ができて、5年以上の計画を立てている企業がほとんどない中に置いては2030年に向けた目標というだけでも、今から10年先。立派な長期ビジョンができる。

自分の中での整理
【サステナビリティ経営】
事業活動(売上をあげる本業)を通じた社会課題解決。SDGsを取り入れ、具体的な製品・サービスが具体的なSDGsターゲットにどう貢献するかを示し、事業KPIとともに社会KPIを設定し事業活動の社会へのプラスインパクト・社会的意義を数値化・視える化する。企業活動(CS部門、管理部門)はESG経営の指標を取り入れ、活動を「環境」「社会」「ガバナンス」に分類してそれぞれどう責任を果たすか、マイナスインパクトをどう減らすかを数値化・視える化する。プラスマイナス含めたこれら活動の数値化・視える化は、第三者評価を使ったりTCFDやらGRIやらSASBやらISO26000やらいろんな国際的基準に照らして報告している。この非財務情報と財務情報を合わせて「サステナビリティレポート」「統合報告書」とかの名前で年イチ発行したり。10年以上(2030年以降)先のビジョンを示している場合に効果を発揮すると思われる。

【SDGs経営】
事業活動の表現はサステナビリティ経営と基本的に一緒。企業活動の内容にもSDGsの目標・ターゲットを絡めて数値化・視える化する。ただ、この表現の分類をしれっとESGに合わせることはできて、SDGsだけ見てるわけじゃないですよアピールはできるかも?評価の仕方や報告書もサステナビリティと近いけど、その表現分類の中ではあくまでSDGsに触れる。時間制限があるとはいえ2030年までの経営方針としては抜群の具体性を訴えられる。今からであれば10年先というのは長期ビジョンにも足る。企業理念やら社是やらを変えずに、現経営者で進めるにちょうど良いスパンとも思える。

どっちが良い悪いはない話だと思う。考え方の違いだし、どちらにせよ経営の強い意志がなければ社内に浸透しないし変わらないし、これまでの経営方針が売り上げ重視だとかのびのび成長を志向していたところから転換する状況だとするとより一層、強い意志とビジョンの提示と頻繁な説明がなければ実現しえない。ビジネスマンの中でも「SDGs」自体、いまだに知らない人も大多数いる。

でも、時代は?世界は?ちょっとずつ変わってる。今まで「先進国」「発展途上国」と分けていた分類は、今は何でどう分類すれば良いのかわからない状況。アフリカやインドなどの砂漠地帯にも携帯は普及している。スマホは先進国だけの持ち物ではない。日本の小中学校の指導要領に「SDGs」が盛り込まれている。高校では専門文科ができる。大学でもすでに教えているし、子供~大学生の、これからの社会を担う若者世代がすでにSDGsネイティブとして活動している。

取り入れるのも意志、取り入れないのも意志、ただ時代は進んでる。

取り入れないのは意志なんだけど、ゆるやかな自殺なんだろうなと思われる。今の生活の延長上に、豊かな未来はないと。個人の価値観とか人生観については今回触れないけども、企業が存続する上ではここは議論して自社の方向性、方針を決めておくほうが良いんじゃないかなぁと思う。たとえばコーポレートサイトでなんもサステナビリティやらSDGsやらに触れてないのは、実際内部では活動してたり、どれだけ良い活動してても、他の人から見ると「知らない」「やってない」「考えてない」ととらえられる。企業に寄らないか、法人ならそうかも。

これも図示がいるなぁ

フューチャーランナーズ

2020年10月頃から見つけた、毎週水曜夜のフジテレビ、番組のつなぎの5分に「フューチャーランナーズ」てミニ番組。自分が(あんまりテレビ見ないけど)見てるテレビ番組上で知ってる限り、SDGsをテーマにした番組はこれが初な気がする。番組内でテーマとして取り上げたりCMで流れてたりはよく見るようになったけど。

「フューチャーランナーズ」は、MS&ADが提供してる、SDGsにいち早く取り組んでいるトップランナーを1分少々くらいで取り上げている番組。毎回17目標にかかわりのある人を取り上げ、SDGs目標とともにその活動を紹介している。最近だと服とか布の大量廃棄問題からファッションブランドを立ち上げた青年(目標12「つくる責任 つかう責任」目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関連)とか、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの方(目標4「質の高い教育をみんなに」目標10「人や国の不平等をなくそう」目標11「住み続けられるまちづくりを」に関連)とか。

このダイアローグ・ジャパン・ソサエティの活動は初めて2030カードゲームを体験したときに紹介されていて衝撃的で覚えてたので、番組見たときにあーーーこれかってなった。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」っていうワークショップ?で、視覚障がい者のガイドで健常者が暗闇の中障害物を避けながら歩いたりなんだりするっていうもの。対等な立場での対話が生まれるとのこと。
まだ体験したことないからやってみたい。

ほかにもいろんな切り口でいろんな人を取り上げてる。でおそらくはその取り上げられてる人たちは、SDGsができてから活動を開始したわけじゃなく、もともと活動してた。それまでは「慈善事業」「NPO」「収益が見込めないもの」の扱いだったそれらの活動にこれまでとは異なる光の当て方をしているのがSDGs。それまでの活動が再評価されるきっかけになっていてMS&ADは改めて違う視点から光を当てるってことをしてる。

MS&ADのCMも「未来は明るいとは限らない」から始まってちょっとドキッとさせる。いろんな社会課題を並べて不安煽りながら、場面変えて「未来を予測して課題を解決していく保険の力が必要」つってキャッチコピーの「さぁ、いい方の未来へ」って流れ。よく作られてるなぁと思う。保険業務の、持続可能な社会との関連もうまく考えられてると思う。うすっぺらいって言われそうだけどこういうのは好きだなぁ。

さて自社はっていうとこれが難しいんだけど、最近大枠がつかめつつある気がする。
プレゼン力にかかってきそうなところが気が重いけども。
つづく。

フューチャーランナーズ 毎週水曜22時54分~ フジテレビ