SDGs目標のターゲットを考える 5.ジェンダー平等を実現しよう

SDGsの17目標5番目は「ジェンダー平等を実現しよう」。正式には、「ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児の能力強化を行う」。この目標は少し賛否が分かれるところだなぁと思ってみている。そもそもジェンダーって、ウィキペディア先生には

ジェンダーは多義的な概念であり、性別に関する社会的規範と性差を指す。性差とは、個人を性別カテゴリーによって分類し、統計的に集団として見た結果、集団間に認知された差異をいう。ジェンダーの定義と用法は年代によって変化する。ジェンダーという概念は、性別に関して抑圧的な社会的事実を明らかにするとともに、ジェンダーをめぐる社会的相互作用をその概念自身を用いて分析するものである。

とある。
なにやら難しいけど、個人的見解としては、要は社会的に自分がどっちの性別で見られるかと、自分自身が感じる性とのギャップ。
この「社会的にどっちに見られるか」ってとこが賛否のポイントなのだろうなあと思う。LGBT界では一般的?になってる概念「性別はグラデーション」。
ただこのSDGsでは、そのあとに「女性の能力強化」とあるので意味合いが違ってきていると思う。LGBTの話は別の機会に。

日本でも世界でも、男女の格差はとても大きい。この問題に関しては日本は後発すぎるほど進展していない。先日の五輪旧会長の発言も然り、ジェンダーギャップ指数の世界ランクも2020年121位と、ビリケツレベル。もちろんG20なんかの中では断トツ最下位。会社の女性管理職比率とかは有名な話、地方に行くと未だに女性の教育機会がないとかある。世界で見ても、男の子は学校に通うけど女の子は水汲みに行ってて学校いけない、などから始まり日本同様、子育て家事は女の仕事で立場弱いなど、問題は多い。それを解決しようというのがこの目標5番。

ターゲット5.1では、助成及び女児に対する「あらゆる形態の差別を撤廃する」ことがきていて、あらゆるっていうところに、目標1「貧困をなくそう」の「あらゆる形態の貧困をなくす」と同じ重さを感じる。5.2-3は日本ではちょっと遠い印象だけど、人身売買・その他搾取・未成年者の結婚・早期結婚・強制結婚・女性器切除などの暴力や有害な慣行を撤廃することを目標にしている。表現からでも切実というか、え、そんなことあるのって思うことが(主に女性器切除)書かれているあたり、自分が知らないだけで深刻な課題なんだと思う。電車の広告でも、「10歳で結婚」とかあるけど想像がつかない。。

ターゲット5.4は日本のこと見て作ったんですか?と思うような、「無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価」することが目標になっている。評価するのが夫とかの主観でなく、「公共のサービス、インフラおよび社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて」というあたり、日本の状況に応じて誰がどう判断するのかはわからないけど、公共・社会保障政策などなど変容の余地が十二分にあるところだと思う。これは何も、夫が半分ちゃんと育児家事せいっていう話だけではなく、世の中には家事代行サービス等を生業にしているひとたちもいるわけで、家事にきちんと対価を払ってそれをやってもらうということも、「無報酬の認識・評価」なんでないかなと思う。金かけてっていうのはもちろん金持ちにしかできないことだけども、そこをもっとサービス受けやすくすることが公的支援のなせるワザかもしれないよね。

ターゲット5.5はこれもまた日本の話ですか、みたいな女性管理職の話。「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において完全かつ効果的な女性の参画と平等なリーダーシップの機会を確保する」。最近仕事でIT企業大手の統合報告書を分析してるけど、女性比率のまぁ少ないこと。女性管理職比率、世界で見ると24%ほどでまだまだ足りないと言われている中、日本平均は17%、今分析している企業群は、10%いくかいかないか程度。役員・監査に女性が一人もいない会社もある。そんな会社が重点項目でこの「ジェンダー平等」を掲げて多様性・働きがいのある会社って堂々と言ってたりする。SDGsウォッシュの絶好の標的になるなぁと思う。

ターゲット5.6には、「性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスの確保」があげられている。これはそもそも無計画な人員増加で不幸な子を増やさないようにということなんだろうか。。NOと言える勇気、のまえに何がNOかを知識としてつけるため、ということなんだろうか。北京行動綱領を見れてないので、見てみなければ。

5.a-cは、女性や女児がその力や権利ちゃんと行使できる環境を整えましょうという施策が並ぶ。経済的資源についての権利・オーナーシップ・土地その他の財産・金融サービス・相続財産・天然資源にアクセスする権利や(5.a)、能力強化のためのICTをはじめとする実現技術の活用(5.b)、適正な政策や拘束力のある法規(5.c)がそれにあたる。あらゆる面で女性が不利にならないような環境を整備しましょうという目標。

先日、とある会社のSDGs研修を見たときに「女性の『能力強化』という表現に違和感がある。能力が劣っているわけではないでしょ」という意見があった。まぁ確かにと思い。この「能力強化」という訳、英語ではエンパワーメントと書いており、能力強化と別の意味では「権利をもつ」という表現もあった。おそらくこっちの和訳のほうがあっているというか、誤解は生まないのかもなぁと思った。教育による能力開発の機会が、男性に比べて得られていないことから「能力開発」という表現を使っている可能性もあるけども。男性と同じように持つべき権力を正しく行使できるようにするというのがSDGsで目指したい世界なのではと思う。

ここまで来て最初の話に戻ると、SDGsのキャッチコピーや正式目標では「ジェンダー平等」と言っているけど、ターゲット全般、主役は「女性および女児」と明記されているのが特徴。誰から見ての女性および女児か?まで定義されておらず、LGBT界はこの目標に性的マイノリティを当てはめているところもたくさんあるけど、個人的には性的マイノリティに対する課題はSDGsに正しく盛り込まれていないと感じる。これはまた別の記事で。

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