フューチャーランナーズ

2020年10月頃から見つけた、毎週水曜夜のフジテレビ、番組のつなぎの5分に「フューチャーランナーズ」てミニ番組。自分が(あんまりテレビ見ないけど)見てるテレビ番組上で知ってる限り、SDGsをテーマにした番組はこれが初な気がする。番組内でテーマとして取り上げたりCMで流れてたりはよく見るようになったけど。

「フューチャーランナーズ」は、MS&ADが提供してる、SDGsにいち早く取り組んでいるトップランナーを1分少々くらいで取り上げている番組。毎回17目標にかかわりのある人を取り上げ、SDGs目標とともにその活動を紹介している。最近だと服とか布の大量廃棄問題からファッションブランドを立ち上げた青年(目標12「つくる責任 つかう責任」目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関連)とか、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの方(目標4「質の高い教育をみんなに」目標10「人や国の不平等をなくそう」目標11「住み続けられるまちづくりを」に関連)とか。

このダイアローグ・ジャパン・ソサエティの活動は初めて2030カードゲームを体験したときに紹介されていて衝撃的で覚えてたので、番組見たときにあーーーこれかってなった。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」っていうワークショップ?で、視覚障がい者のガイドで健常者が暗闇の中障害物を避けながら歩いたりなんだりするっていうもの。対等な立場での対話が生まれるとのこと。
まだ体験したことないからやってみたい。

ほかにもいろんな切り口でいろんな人を取り上げてる。でおそらくはその取り上げられてる人たちは、SDGsができてから活動を開始したわけじゃなく、もともと活動してた。それまでは「慈善事業」「NPO」「収益が見込めないもの」の扱いだったそれらの活動にこれまでとは異なる光の当て方をしているのがSDGs。それまでの活動が再評価されるきっかけになっていてMS&ADは改めて違う視点から光を当てるってことをしてる。

MS&ADのCMも「未来は明るいとは限らない」から始まってちょっとドキッとさせる。いろんな社会課題を並べて不安煽りながら、場面変えて「未来を予測して課題を解決していく保険の力が必要」つってキャッチコピーの「さぁ、いい方の未来へ」って流れ。よく作られてるなぁと思う。保険業務の、持続可能な社会との関連もうまく考えられてると思う。うすっぺらいって言われそうだけどこういうのは好きだなぁ。

さて自社はっていうとこれが難しいんだけど、最近大枠がつかめつつある気がする。
プレゼン力にかかってきそうなところが気が重いけども。
つづく。

フューチャーランナーズ 毎週水曜22時54分~ フジテレビ

SDGs目標のターゲットを考える 9.産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGsに17目標あるうち9番目は「産業と技術革新の基盤をつくろう」。いかにも先進国向けなニオイがする目標。本文は「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包括的で持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る」。こうなると対象を明言していないことはわかる。これも、日本の大企業・IT企業・金融業界が選びたがる目標のひとつ。

9.1は、説明するよりそのままの訳を読むほうが分かりやすそう。
「すべての人が平等に安価にアクセスできることを重点においた経済発展と福祉の実現のため、信頼できる質の高い持続可能で強靭なインフラ(越境インフラを含む)を開発する。」
経済の発展と福祉を実現する持続可能なインフラ開発。これはソフトともハードとも明言されておらず、両方該当する「社会インフラ」と考えられる。ハードインフラの強靭さも重要だし、現在およびこれからの情報化社会の中ではソフト面のインフラも強靭でなければ持続しない。

ターゲット9.2は包摂的で持続可能な産業化の促進、各国の雇用とGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させるとある。ここで言っている産業セクターとは、第一次~三次産業、六次産業のどれを指しているんだろう。原文読んだほうが良いべか。。産業って、産業革命をイメージすると工業かなと思うけども。

9.3は、金融サービスやバリューチェーン、市場への統合に対するアクセス拡大が目標になっていて、金融業界よりの目標に見える。「特に」につづいて開発途上国が強調されている。マイクロサービスが成長していけるための支援をしましょうという感じか。

ターゲット9.4では、資源利用効率の向上、クリーン技術、環境配慮技術や産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善による持続可能性の向上が目標。ただ単に生産性を向上して環境に悪影響を及ぼすものはもうダメで、社会や環境を良くすることと両立するような開発をしましょうという目標。先進国が先進技術を持って取り組むことができる目標、既存のビジネスをこの方向に変えていくべきターゲットだと思う。

国連データによると、全世界の炭素強度(エネルギー消費量に対する二酸化炭素排出量)は2000年からの15年で付加価値1ドルあたり二酸化炭素換算で0.38kg→0.31kgに19%低下しているそう。トヨタとかはゼロエミッションを目標に掲げて取り組んでいる。1ドルあたり300gと考えるとなんかまだ多い気もする。単に減らすことを努力してもゼロにはならないので、「減らす」を目標にするのではなく「0にする」を目標にすることで、イノベーションが生まれる。

ターゲット9.5はすべての国の産業セクターにおける科学研究の促進によって技術能力を向上させることが挙げられている。先端技術や知識を備えて応用できる研究者・開発者・技術者が多いほど、生まれるイノベーションも多くなるでしょうということか。こういった人材はすぐに育てられるものでないので、企業にとっては長期間にわたる投資の覚悟が必要になると思う。

9.a、9.b、9.cのターゲットはいわゆる途上国向けに、金融・テクノロジー・技術の支援強化を行い、その持続可能で強靭なインフラ開発を促進すること、それらの国の国内技術開発、研究およびイノベーションを支援すること、情報通信技術へのアクセス向上が目標。これらの途上国を支援するのは誰か?先進国でしょうね。日本も、グローバル展開してなかろうとも意識したら良いとこでないかと思う。顧客が日本国内に閉じてても、オフショアなんかしていれば立派な当事者。

ターゲットまで見ていくと、先進国はイノベーション力があるんだからそれを活用して社会にも環境にも配慮したより強靭なインフラの基盤をつくりましょ、それを自国のためだけに使うんでなく途上国の力を伸ばすとこにも活用しましょっていうことが書いてある。目標9でも、LIXILのトイレの件は大きく貢献している。これからの「支援」は、ただ寄付するとかあげるだけでなく売るだけでもなく、現地に雇用と生産体制をつくって地産地消できるサイクル・ノウハウや知識を提供するところにある。お金の寄付は政府が腐敗しているので市民に届かない、だから服などの現物支給のほうが良いという話も聞いたことがある。現物支給も一時しのぎにはなるけど根本解決にはならないので、支給するならミシンと布をっていう話も聞いたことがある。豊かな人のいらないものを貧しいひとに与えるという支援は、もしかしたらなくなってくるのかもしれない。

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