まちに暮らす人がそのまちを好きな状態をつくる

自分がやりたい「地域活性化」を一言でいうと「まちに暮らす人がそのまちを好きな状態をつくる」。そのまちが好きでそこに住んでいる人は、自分のまちに誇りと愛着があり、自分の行動でまちに良い影響を与えたい(悪い影響を与えたくない)と思うのではないか。そう考えるひとが増えれば、来訪者に対するおもてなしの対応も自発的に、丁寧になるのではないか。そんなおもてなしを受けた来訪者はそのまちを心地よい場所と思ってくれるのではないか。そんな来訪者が増えたら、より一層経済も活性し、まちに暮らす人の生活に還元され、それがまちへの誇りと愛着をより深めることにつながるのではないか。という仮説。

自分の地元の場合、高校で進学校に行った人は大学へ進学し、東京へ就職、そのまま戻ることがないという典型的地方から若者が出ていくパターン。高校で私立や商業・工業などの専科高校へ行った人はそのまま地元就職というパターンが多い。もちろん大学卒業後地元就職する人もいるし、専科高校で地元外に就職する人もいるが、多数はこの2パターンでないかと思う。進学後そのまま戻らないパターンは、地元に求める就職先がない、とにかく地元を出たい、等の理由か。専科高校から就職するパターンは、(本当は地元を離れたいが、)他に行く場所がないから仕方なく、という理由を耳にした。

20歳(今は18歳)を過ぎれば選挙権が得られる。自分たちが理想とするまちに変えるという行動を、気持ち次第で実現できる年齢。自分が暮らすまちに対して不満を持ちながら暮らすのはもったいないと思う。

ひとによって「幸せ」の定義はバラバラだし、理想のまちのありかたもバラバラなのは当然。それでも共通項は見いだせると思う。たとえば、政策創造塾とパイプドビッツが行った全国2万人を対象にした「幸福度調査」によると、社会参加に自分が関わるほど、その人の幸福度があがるということが統計結果から明らかになっている。深さや密度の差はあっても、人や社会とつながることは、人の幸福度に大きく影響する。

個人とまちとのつながり方にはグラデーションがあって良い。それぞれの濃度に合わせて社会・まちとつながれる環境を用意することが必要だと考える。そんな環境・プラットフォームづくりをしたい。地域活性化の意識の高い人たちだけが盛り上がっているような状況、観光地だけがうれしい状況はちょっと違うんじゃないかなと。全員が積極的にまちづくりに参加することを強制するわけでもなく、それぞれの意識の差によって柔軟に社会とのかかわり方を変えることができるような環境を全国各地の地域につくりたい。つながりたいときにつながれる、つながりたくないときは距離が置ける、ゆるい関係が良いなぁと思う。

まちに暮らす人が、そのまちを好きになる状態をつくる。もっと端的に言いたい。

つづく。